常勤講師の場合
常勤講師の採用は、地方公務員法により、6ヶ月とされ、更新は一度とされています。その関係で、1年を超える任用を行うことができません。3月31日や4月1日に「1日」あけるのはそのためです。そのため、1年ごとに「初任」としての扱いとなり、昇給ではなく、前歴換算による初任給が毎年支給されることとなります。
先に述べたように、常勤講師は、毎年、前歴換算によって初任給を決定します。例えば、1年目常勤講師をすれば初任給は1−7ですが、2年目は、1年目の常勤講師の期間が換算され、1−8となります。以後こういう具合に初任給が決定されていくわけですが、初任給限度額1−21になれば、いくら前歴があろうとも1−22になることはありません。これが初任給の「頭打ち」です。高教組は、この間撤廃をめざして取り組んでおり、わずかずつではありますが、「頭打ち」の号給を引き上げさせています。
期末手当、勤勉手当とも、正規職員と同じ計算方法で算出されます。(本書一時金の欄を参照ください)ただし、基準日(3月1日、6月1日、12月1日)から1ヶ月より前に退職した場合については勤務実績があった場合でも一時金は支給されません。
例えば、1年間(4月〜3月)常勤講師を退職した場合、なぜ6月の期末手当や勤勉手当てが支給されないのでしょうか。勤勉手当の基準日は12月1日と6月1日、12月2日から3月31日まで勤務しているにもかかわらず、6月の勤勉手当が支給されないのは5月1日より前に退職しているからです。期末手当にしても3月1日の前基準日以降も在職しています。仮に、勤務実績に応じて支給されるのであれば、期末手当については、在職期間30日で30%が、勤勉手当については勤務実績が4ヶ月弱で80%が支給されます。25万円(1−14)の給料の方ならざっと25万円となります。当局の都合で3月で「切られる」方も多いはず。にもかかわらず、勤務実績に 応じた一時金まで支給しない県教委の姿勢は断じて許すことはできません。
非常勤講師の場合
非常勤講師、介助員、技能労務職員の非常勤嘱託員など非常勤職員(嘱託員)は、特別職となるため、地方自治法により、報酬と費用弁償が支給されるとなっています。これが、給料や諸手当が支給される教諭や常勤講師などの一般職との賃金面での大きな差です。報酬については、日額を基本にしていますが、月額や時間額でも支給できることとなっています。昇給はなく、その額については、日額39200円を超えない範囲で、任命権者が知事と協議して決めることとなっています。
通勤手当ですが、一般職の通勤手当の該当するものを特別職においては費用弁償という形で支給しています。その内容は
- 定期券を発行している場合は
1ヶ月の定期券の価格
- 回数券を発行している場合は
回数券の1冊分の価格×2 ×
勤務日数/11
- 自動車等の利用(所属長が承認した場合)
通勤手当の手当て額 ×
勤務日数/21
私たち高教組は、県教委から1単位35時間分の賃金は確保するよう指導するという回答を引き出しています。また、行事や採点等も業務に含むということも明言させました。授業時間だけを業務とし、実質35時間を値切るようなことは、認められないということははっきりしています。
さらに、他府県においては、非常勤講師についても月給制をとっているところがあります。学校の都合によって時間割変更等を強いられ、月による収入のアンバランスを生じている現実を考えれば、兵庫県においても月給制を導入すべきです。
介助員や技能労務職の非常勤嘱託員は、先述したとおり、地方自治法により、報酬・費用弁償以外については支給されないとされています。(議員等は別)しかし、常勤とほとんど変わらない勤務実態や国家公務員の非常勤職員には支給できるという不均衡から考えて、高教組は、当然支給すべきであると考えています。
常勤講師の場合
休暇制度を規定している「職員の勤務時間、休暇等に関する条例」の定義している職員は、一般職の職員です。(技能労務職員は別途)常勤講師も一般職ですから、正規の職員との休暇制度の差は基本的にはありません。夏期休暇にしても、例えば代替で8月から勤務した場合も、3日間が保障されています。病気休暇も1ヶ月以上の診断書がでれば、代替職員も配置されます。ただし、辞令期間が定められているため、長期の病休を取得すると、辞令が切れたあと更新されない可能性もあります。また、育児休業・介護休暇は、「地方公務員の育児休業等に関する法律」で「臨時的に任用される職員は除く」とされていますので取得できません。
- 基本的には以下の通りです。
再度の任用発令があった時点で、引き続く全任用期間に対する年次休暇付与日数からすでに取得した年次休暇の日数を控除した日数を取得できます。
-
引き続く任用期間が1年を超える場合の取り扱いは
20日からその任用期間の最終日以前1年間に取得した年次休暇の日数を控除した日数を取得できます。
- 一任用期間ごとの付与日数の方が有利な場合は
上記2つの場合による付与日数より再任用後の任用期間に対する年次休暇付与日数が多い場合は、当該日数を取得できます。
例えば、病休、看護欠勤、介護休暇、育休などで何らかの理由により、当初予定していた期間(代替教員から見れば任用期間)より前に現場復帰するケースがあります。その場合、代替教員の任用事由は、休暇等をとっていた人が復帰した時点で消滅します。この場合のことを「任用期間内に任用事由が消滅する」といい、任用期間を終えて事由が消滅するケースではありません。中でも育児休業取得者が当初の予定よりも早く復帰するケースが多いようです。
これまで、「任用期間内に事由が消滅しても」代替教員はその時点で退職となっていました。そのため、代替教員の方は、急に収入が途絶えてしまっていたわけです。しかし、1999年1月から、そういう場合は「他校で優先的に任用」となりましたが、他校で任用がない場合や本人が希望すれば、当校において「調整定員」という形で任用期間内は、任用が継続されることとなりました。
校長が言うように県教育委員会は、「同一校2年」という目安をもっています。この根拠は、地方公務員法第22条の臨時的任用職員は、1年を超える
採用はできないと言うものです。以下少し長くなりますが、この問題につい
て考えてみたいと思います。
- この問題の根底にあるもの
この問題の根底にあるものは、県教委が、本来正規採用すべきところを正規採用せず、大量の臨時的任用を行って安上がりな教育をすすめているところにあります。地方公務員法第22条において臨時的任用を行う条件として、緊急の場合、臨時の職に関する場合、任用候補者名簿がない場合の3点を定めています。しかし、代替を除けば、常勤講師がこの3点に該当しないことは明白です。つまり地方公務員法は年間500人を超えるような臨時的任用などは想定しておらず、まして、臨時的任用職員なしでは現場が回らない現実などは考えてもいないということです。県教委が、地方公務員法22条の趣旨に添った臨時的任用を行い、正規採用を大きく拡大すれば、このような継続雇用をめぐる問題も大きく改善されることになります。
- 県教委の抱える矛盾
では、なぜ大量の臨時的任用がこのような継続雇用の問題を生み出すの でしょうか。ここに県教委の抱える矛盾があります。
地方公務員法第22条では、「任命権者は六月を超えない範囲で臨時的任用を行うことができる。この場合六月を超えない範囲で更新することはできるが再度更新することはできない」と定められています。これは、臨時的任用を1年を超えて行うことはできないことを意味しています。しかし、県教委は、年度末等に「空白の1日」を設けることで、継続雇用ではないとし、事実上数年にわたる任用を続けています。(毎年初任給を支給することや1年を超える年休の繰越ができないのもこのためです。)これは、大量の臨時的任用者に正規職員と同様の仕事をさせているため、1年のみの任用では教育が回らないことの証でもあります。県教委のこの考えに従い「空白の1日」を設けることにより、継続雇用でないとするなら、同一校2年などということもまったくその根拠を失い、何年勤務させても問題はないということになります。しかし、県教委は「空白の1日を設けたとしても社会通念上、継続と見なされる」として同一勤務先での長期連続雇用を避けようとしているのです。これが県教委の矛盾であり、臨時的任用者の生活などお構いなしに、都合よく使うための方法でもあります。
- 現実の問題として
臨時的任用職員が、不安定な立場でありながら各学校での教育を支えていることは紛れもない現実です。そのように臨時的任用職員に対して、「使い捨て」のごとき対応をする管理職がいることは決して許されるものではありません。違法まがいの臨時的任用で正規採用を抑え、正規職員とまったく同じ勤務をさせていることを考えれば、少なくとも臨時的任用職員の意向を最優先させることは当然です。まして、任命権者が県教委であることを考えれ勤務先を変更するなどということは、継続雇用との関係で何の意味も持ちません。県教委も「原則は2年だが、校長の具申があれば、3年以上も可能」と回答しています。
非常勤講師の場合
非常勤職員は、それぞれが各要領によって、休暇制度を定めています。
- 介助員
年休・選挙権行使のための休暇
労働基準法に基づいた特別休暇(産休など)
- 技能労務職の非常勤嘱託員
年休・選挙権行使のための休暇
- ALT
年休・病気休暇・忌引き・結婚休暇
不可抗力による自己住居破損の場合
通勤に要する交通機関の事故等による
交通遮断の場合
再任用にともなう在留手続きが必要な場合など
(ALTの以上の項目は有給)
産休・育児時間・生理休暇(無給)
- 非常勤講師、生花茶作法講師 なし
介助員・技能労務職員非常勤嘱託員の年休は、週(1年間)所定労働日数と勤続年数によって決まります。(下表)
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1年間の所定労働日数 |
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1 |
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9 |
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11 |
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5日〜 |
217日〜 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
18 |
19 |
20 |
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4日 |
169日〜216日 |
7 |
8 |
9 |
9 |
10 |
11 |
12 |
12 |
13 |
14 |
15 |
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3日 |
121日〜168日 |
5 |
6 |
6 |
7 |
7 |
8 |
9 |
9 |
10 |
10 |
11 |
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2日 |
73日〜120日 |
3 |
4 |
4 |
4 |
5 |
5 |
6 |
6 |
6 |
7 |
7 |
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1日 |
48日〜 72日 |
1 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
3 |
3 |
3 |
3 |
3 |
繰り越しについては、当該年度に取得できる年次有給休暇の日数を超えない範囲内の残日数を翌年度に繰り越すことができます。
退職条例第11条では勤続期間6ヶ月以上で退職した職員のうち退職手当が、雇用保険を適用した場合に支給を受けることができる額に満たないものが退職の翌日から起算して1年の期間内で失業している場合においては退職手当のほか、その超える部分に相当する金額を退職手当として支給する。と 定めています。
そしてこの条例により、常勤講師であったとしても勤務期間が6ヶ月以上の場合、正規職員と同様に、雇用保険法の適用除外となります。つまり、雇用保険にはいることはできませんが、退職金より失業給付の方が多く、しかも失業状態(かつ求人している状態)にある場合には、その差額は支給されるわけです。ちなみに退職金は、給料×0.6月で、「継続」されても1年ごとに支給されます。また、6ヶ月に満たない短期間の常勤講師については雇用保険にはいることはできます。