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【日高教見解】文科省通知「夏季休業期間等における公立学校の教育職員の勤務管理について」に対する見解

2002年07月09日


一 文部科学省は通知「夏季休業期間等における公立学校の教育職員の勤務管理について」(七月四日)をだしました。

この通知は、完全学校週五日制導入による夏季休業期間の「まとめ取り方式」廃止の下で、休業期間の教職員への「勤務管理の適正」をはかることを目的にだされたものです。

四月からはじまった完全学校週五日制によって教育の新たな困難が全国の学校にひろがっています。そのなかで教職員は、父母・住民の願いに応えるために異常な勤務の加重を強いられています。従来の土曜の授業を課業日に上乗せし、土曜補習をせざるを得ない状況、勤務時間内にはとうてい授業準備や子どものケアなどが終えられず、長時間・過密勤務が蔓延している実態を「適正」にすることこそがいま緊急に求められているのです。

「勤務管理の適正」を強調するのなら、労基法・労安法および超勤規制の「厚生労働省通知」・「総務省通達」に基づく長時間・過密労働の解消こそ文科省が力をつくさねばならないことではないでしょうか。そして、「授業に支障のない」長期休業期間には自主研修が奨励されてしかるべきであり、行政はそのための条件を整備すべきです。

二 また通知は、「公教育に対する地域住民や保護者の方々の信頼を確保」するためであるかのようにのべていますが、そうであるならば、完全学校週五日制のもとでの学力保障や「ゆきとどいた教育を」という父母・国民の切実な願いに応えることが優先されなければなりません。

父母・住民の信頼を確保するためには、まず子どもの学力問題に対して明確な対応策をだすことが求められています。それは当面、授業の充実をおいて他にありません。教育行政が父母・住民の信頼を得ようとするなら、従来にも増した教職員の研修機会の確保と問題のある新学習指導要領の抜本的見直しが先決です。父母・国民の不安が「学びのすすめ」(一月一七日)をはじめとする文科省の教育政策にあることを自覚し、父母・国民の不安に正面から応える施策をこそ打ち出すべきです。

三 文科省は父母・国民の願いに応えようとせず、教職員の勤務管理を強化し、自主研修を抑制しようとしています。

地域・社会環境の悪化や競争の教育のもとで困難をかかえる子どもたちと向き合い、ゆきとどいた教育を保障するために、これまで以上に教職員の自主的な研修が必要になっています。しかし、文科省はその立場にたたず、自主研修を抑制し、政府・文科省の教育「改革」を担わせるために官製研修を強化することをもねらっているのです。父母・国民への「信頼の確保」を口実にして、研修を教職員管理の道具にすることさえねらう通知は、父母・国民の願いに応える教育の実現を遠ざけるものといわなければなりません。

日高教は、この通知に対して批判的立場を明らかにするとともに、文科省に改めて教職員への自主研修の機会を保障するよう要求するものです。

四 教職員の研修が教育活動に不可分のものであればこそ、子どもと教育にかかわる今日の深刻な諸困難を解決するために、自主的な研修の役割は重大です。

にもかかわらず文科省は、教特法第二〇条二項に基づく研修を、ことさらに「教員に権利を付与するものではない」と強調しています。しかし、同一九条は、第一項で教職員の研修が教育活動と不可分の義務規定とし、さらに立法者意思としても「単に義務的になされるということではなく」「権利的にもそういうことができるようなしくみ」「権利としても研修をなしうるような機会」を必要とするとしていました(法提案理由補足説明)。研修が教職員の権利であることは法解釈の常識です。

第一九条第二項は任命権者の条件整備義務をうたっており、第二〇条は教職員に対する研修機会を保障する義務規定となっています。同条第二項はそのための機会保障のしくみを定めたものです。従って、「職専免研修」は教職員の研修権を行使するうえでの行政手続きに過ぎません。通知にいう「校長が、その権限と責任において、適切に判断する」という、この「適切」の内容は、「授業に支障がない」かどうかの判断に限定されるのです。同様に、「自宅で研修を行う必要性の有無について適正に判断する」(通知)校長権限は法的に与えられたものではありません。

また、「事前の研修計画及び研修後の報告書の提出」(通知)も義務づけられるものでもありません。事前の研修計画や研修後の報告書の提出が煩瑣なものであり研修を阻害するものであってはなりません。教育行政に求められているのは、教職員が存分に自主的な研修が行えるよう条件整備をはかることなのです。開かれた学校づくり、生徒参加、父母・住民との共同の学校づくりをすすめる上で、私たちの自主的な研修も父母・住民への説明責任が求められていることはいうまでもありません。

文科省の自主研修への妨害をはねのけ、職場研修・教研や子ども・父母・住民を交えた地域教研をはじめ、精力的な自主研修をすすめ、その成果を交流するなどして、二学期に備えましょう。それは、豊かな教育実践をすすめ、共同の学校づくりをすすめる確かな土台となるものです。

日本高等学校教職員組合中央執行委員会


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