高校生を含む18歳以上の未成年者が29日、全国で初めて1票を投じる。
どこの市や町と合併すべきか相手先を問うて、秋田県岩城町が行う住民投票である。
町議会では、合併という町の将来にかかわる重要な選択には若者の考えを反映させるべきだ、との意見が多数だった。18歳になれば働いている人も多い。結婚もできるし、判断力はあるだろうというのだ。
全国で初めて、いつでも住民投票を実施できるようにした愛知県高浜市でも、18歳以上に投票資格を認める改正条例が今月から施行された。福祉先進地としても知られる同市は、地域福祉計画の策定にあたっても小学生から高校生までの意見を聞いた。森貞述(さだのり)市長は「18歳というのは時代の流れだと思う」と話している。
東京都田無市と保谷市が合併して西東京市が誕生する際も、2年前に18歳以上を対象にした住民意向調査を実施している。
共通しているのは、少子高齢化のなかで将来のまちづくりに若者の参加は欠かせないという切実感である。なんとか地域を活性化させたいと模索しているほかの自治体でも、事情は同じだろう。
少子高齢化が進めば、税や社会保障の負担は若い世代に一段と重くなる。世代間の均衡と連帯を保つためにも、若者の意見を政治に反映する仕組みが必要である。
小渕恵三首相(当時)の私的諮問機関である「21世紀日本の構想」懇談会も、2年前に出した最終報告で選挙権を18歳に引き下げることを提言している。
若者の非営利組織「Rights(ライツ)」は選挙権年齢の学習会や全国キャラバンなどの活動を重ね、今年2月には国会議員が参加する集会を開いた。
これがきっかけになり、自民、民主などの超党派議員が「選挙権年齢の引き下げを求める国会議員懇談会」を結成。議員連盟への衣替えも検討中だ。
今年4月の調査で、下院(衆院)選挙の選挙権を18歳以上としている国は約140カ国に上る。主要8カ国(G8)の中で20歳以上は日本だけだ。欧米諸国では大学紛争やベトナム戦争で揺れた60〜70年代に、兵役に就いている若者には選挙権を与えるべきだという考えが広まった。
選挙権年齢を考える場合は、20歳を成人年齢としている民法や少年法との関係を考える必要もある。荒れる成人式や少年の凶悪犯罪を見ると、「権利だけでなく義務も」という声も出てこよう。
若者の政治参加を高めるうえで、政治教育の充実も欠かせない。これまではタブー視されてきたが、党派性を排除しつつ、現実の政治についてきちんと判断できる力を身につけることは必要だ。
18歳選挙権について議論すべき機は、とっくに熟している。この際、選挙権とあわせて、立候補を認める被選挙権年齢の引き下げについても検討を進めたい。
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