東京都教育委員会は、来年度から公立小中高校の教員を能力別に3段階に分け、各段階ごとに別メニューの研修を課すことを決めた。各地の学校で導入が進む習熟度別学習の「先生版」で、教員の力量に応じたきめ細かな研修を実施するのは全国初。校長ら管理職が各教員の能力を判定して振り分けることから、教員組合などの反発も予想されるが、教員の資質向上のため研修を充実させる自治体は多く、今回の制度は他の自治体にも影響を与えそうだ。
従来の都の教員研修は、勤務年数の同じ教員が全員参加し、一斉に同じプログラムを受講したり、教員自身に希望するプログラムを選ばせていた。しかし、一斉の研修では各教員が抱える個別の課題に対応できないことなどから、効果を疑問視する声があった。
このため、新制度では同じ年齢、職歴の教員に、能力に合わせて異なる内容の研修を実施する。管理職が人事考課の中で教員を評価し、「上」「中」「下」の三つのランクに分ける。さらに教職経験2〜10年の若手、11〜20年の中堅、21年以上のベテランに分け、研修所などで用意された複数の研修メニューから、管理職が個人にふさわしい研修プログラムを作り、受講させる。
ベテランでも、児童生徒の学習指導に問題がある場合は基礎的なプログラムを課し、逆に優秀と評価された教員は大学院の講座を受講したり、将来の学校のリーダーになるための研修を受けさせる。研修後は、現場で研修の成果が生かされているかどうかを管理職が評価し、この結果も人事考課に反映させるという。
都教委は「教員の資質が向上し、子供や保護者の期待に応えられるはずだ」と話している。
これに対し、都教組に加入している男性中学教諭は「基準もあいまいな人事考課をもとに、教員をランク分けして押しつける研修は不当だし、認められない」と話している。
毎日新聞11月3日付
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