就職難といわれながら高校生の就職内定率が9割を維持しているのはなぜか。そこには数字のトリックがあることを内閣府がこのほど発表した「国民生活白書」(2003年度版)で認めました。日本高等学校教職員組合や全国私立学校教職員組合連合が指摘してきたことです。
高校生の就職内定率は、1992年度98.5%、2001年度89.7%、02年度90.0%などとなっています。内定率は3月末現在で就職を希望している生徒を対象にしたもの。それ以前に就職希望を途中で取り下げた生徒は含まれていません。このため日高教と全国私教連は「数字のトリックで、実態を反映したものではない」と指摘し続けてきました。
両組合が独自にまとめた2002年度「高校生の就職実態調査」でも、就職決定率は85.6%ですが、就職希望を途中で取り下げた生徒が7%に達してきました。7月時点の就職希望者数を基礎に計算すると就職決定率は79.6%に低下します。
今回発表された「国民生活白書」によると、02年7月末時点で就職希望者(求職者)が100人いたとすると、9月末時点では84人に減り、翌年3月末では69人にまで落ち込みます。(図参照)。就職内定率は、69年を元に比率を出したもの、ということになります。
白書は、「高校卒業者の内定率は就職難といわれながらも比較的よい数字に見えるが、この数字は、就職を希望した高校生のうちの約9割が就職できたということなのだろうか」と疑問を投げかけ、「『内定率』が大幅に低下していない背景には、内定が得られず、途中で就職をあきらめたり、進路変更する人が増えていることが一つの要因であると考えられる」と分析しています。
日高教の林萬太郎中央執行副委員長は「白書は常用雇用を希望しながらも求人がなく、やむを得ずフリーターになる高校生の実態にかなり近づいたものといえます。世論と私たちの運動が政府を追い込んでいると思います。実効性ある施策を求めていきたい」と話しています。
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