勤労者世帯の約3分の2の世帯が平均貯蓄現在高以下
総務省の貯蓄動向調査によれば、2000年12月末の勤労者世帯の貯蓄現在高(生命保険や有価証券を含む)は、1世帯平均で1356万円となっています。しかし、平均額を下回る世帯は66・5%を占めており、貯蓄の低い世帯に偏った分布になっているため、多くの人の実感にあわないものになっています。
2400万円以上という高額の貯蓄をもつ世帯が全体の15・51%を占めているなど、高額の貯蓄をもつ世帯が貯蓄平均を押し上げているためです。
最も世帯数の多い貯蓄額を示す「最頻値」は、265万円となっています。最頻値は99年の372万円から265万円になり、平均値も99年の1393万円から下がるなど、全体として貯蓄の額は低い方向に移動しています。

総務庁統計センター 貯蓄動向調査
ジニ係数の国際比較
また、所得の面での格差を「ジニ係数」(1に近いほど格差が大きい)で示すと、84年の0・39から96年の0・44と所得格差が広がっており(厚生省調査)、アメリカの0・40をも上回っています。
『日本の経済格差』(橘木俊詔 岩波新書)によると、「第一に、わが国の所得分配の不平等度は課税前所得(当初所得ともいう)と課税後所得(再分配所得ともいう)ともに、急激に高まっている。 特に当初所得は、この10年あまりの間に、ジニ係数が0.1前後上昇しており、短期間のうちにこれだけ不平等度の高まった国はさほどない」
次に、世界各国との比較では、「1980年代後半や1990年代前半で見ると、わが国は先進諸国の中でも最高の不平等度である。 資本主義国の中でもっとも貧富の差が大きいイメージでとらえられているアメリカの所得分配不平等度よりも、当初所得で見てわが国のジニ係数の方が高いという事実は、にわかに信じがたいほどの不平等度である」
ただ、この点に関して留保が必要なのは、税・社会保障などを考えに入れた再分配後の所得では、日本のジニ係数はイギリス・フランスと同レベルで、カナダよりも低くなっています。 先進国中では比較的高い方に属するといったところです。(アメリカの所得再分配後のジニ係数は計算されていません)。
小泉「構造改革」と教育「改革」は日本をきびしい階層社会に導く
社会保障による所得再分配は、税による所得再分配とも相まって、低所得者の生活の安定や所得格差の縮小などを図るうえで大きな役割を果たしています。そんな中で進められている小泉「構造改革」による福祉・医療の切り捨て路線は、ただでさえ先進諸国でもっともひどいな所得による不平等・貧富の差を拡大します。
さらに、教育を市場原理にゆだねる多様化、特色化、スリム化といった「新自由主義的改革」は、貧富の差を固定化し、日本をきびしい階層社会に導くものです。こういう観点からも、今の「教育改革」を評価する必要があります。
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