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業者模試の服務に関する討議資料3

2002年07月14日


1.業者模試従事における混乱の原因

学校において、業者との関係が生じるのは、何も業者模試に限定されたものではありません。修学旅行や副読本をはじめとする教材の購入などでも業者との関係は必要になってきます。しかし、業者模試は、それ以外のものとは、業務従事のあり方に大きな違いがあり、この違いが、この間、この問題を複雑なものとしてきました。例えば、修学旅行についていえば、修学旅行そのものは、教育活動に明確に位置付いており、そのため、教職員の業務も本務であり、勤務時間が割り振られています。旅行業者との私たちとの関係は、教育活動を業者のプラン(商品)を使って行うというだけであり、教職員が旅行業者の業務に従事するわけではありません。これは、副読本などの教材に対しても同様です。

当初、県教育委員会も、1982年通知を見れば明らかなように、業者模試についても同じように規定していました。つまり、模試は教育活動であり、ただ、業者の商品(業者模試)を使って行うだけというものです。業者模試を授業時間中(職員の勤務時間中)に実施していたのもこれに基づいています。82年通知が規定しているのは、「予備校等が行う試験問題作成等については、原則として教職員が関与することのないように指導し」、行う場合には、兼職等承認願いにより対応するというだけです。

しかし、その後、中学校を中心として、進路指導に当たって、業者模試に深く依存する体制が社会的批判を浴びる中で、県教育委員会は業者模試と学校教育との関係の整理を迫られました。1993年、県教委は、「中学校における適正な進路指導と業者テストの取り扱いについて」という通知で、業者模試を教育活動ではないとし、勤務時間中の業者模試の実施だけでなく、教師が業者模試業務を行うことを禁じました。

しかし、この時点では、高等学校については、業者模試が教育活動であるという82年通知を変更することはなく、むしろ、受験競争が激化する中で、業者模試依存の体制が容認されていきました。にもかかわらず、教職員が週休日に模試勤務を行った場合の「代休」の問題など、教育活動と服務との関係や教育活動と監督料の問題などは、何も整理されませんでした。ここに、今日に至る業者模試をめぐる混乱の原因があります。

2.営利企業等従事としたけれど

県教委が教育活動として位置づけながら、勤務時間を割り振るわけではなく、しかも業者に監督料を支払わせているという、あいまいな位置づけのままであった業者模試業務は、教師が受け取る監督料をめぐって、一部県民から批判を受けました。県教委は、これに対応すべく、2000年11月、例の業者模試業務を営利企業等従事で行うという通知を出したわけです。 しかし、県教委は、本質の議論は抜きにして、対処療法的にこの措置をとったため、業者模試が教育活動かどうか、営利企業等従事の持つ意味等、1993年と同様にあいまいにしながら、実質的には従来通りに業者模試を続けようとしました。これが、今日さらに混乱を深めた原因です。

3.県教委や校長の対応で矛盾がさらに拡大

本来、業者模試の業務を営利企業等従事と定めた時点で、県教委、そして校長は、業者模試と教育活動とを明確に区別し、校務災害や生徒の健康センター、そして、営利企業従事の意味や業者と教職員との関係を明らかにする責任がありました。しかし、その後も業者模試が学校での行事予定表に位置付いたり、公務分掌の一部に組み込まれたりと、県教委や校長は自ら変更した模試業務における教職員の業務のあり方をあいまいにし続けました。そのため教職員は、教育活動の一環として模試をとらえ、公務災害などはほとんど問題視できず、その業務に当たってきました。そしていま、本来2000年の段階で責任を持って教職員に周知すべきことを放置してきた校長(校長協会)が、自ら招いた矛盾を解消すべく、一部業者と、権限外の事項である営利企業等従事の中身について協議を行ったことで、さらに矛盾が拡大したのです。結果として、果たすべき責任を果たさなかった県教委と校長とによる無責任さの付けが、教職員に押しつけられようとしているのです。

4.問題点の整理

今、問題となっている業者模試従事に関する問題は、大きく以下のように整理できます。

  1. 県教委や校長がこれまで、2000年11月通知に基づいて業者模試が教育活動ではないことを教職員に周知しなかったため、今になって、公務災害や健康センターの対象外、であることが明らかとなった。
  2. 一部校長は、4月の段階で業者模試を行事予定に入れながら、この期に及んで、業者模試を営利企業等従事による教職員個人の問題に矮小化し、自らの責任を放棄しようとしている。
  3. 校長は一部業者(ベネッセ)と協議を行い、営利企業等従事の内容を決定したようだが、その労災は休業補償や障害補償など公務災害と比べものにならないものであったり、監督料の支払方法をめぐり口座番号や生年月日登録の問題など、さらに問題が拡大している。

これらすべての問題を解決する責任は、これまで見てきたように、校長や県教委にあることは明確であり、とりわけ、7月中旬に近づいている進研模試に対する現場での混乱を校長は全力で解決しなければなりません。今頃になって行事予定表から業者模試をはずすなどという責任逃れは言語道断です。

4.今、校長がすべきこと

高教組は、すでに2回の討議資料で明らかにしたように、業者模試を実施する場合は学校の施設利用にとどめるべきであると考え、すでに県教委に要求書を提出しています。その上で、当面の対応が必要となる7月模試を前に、校長に以下の対応を要求していきます。

  1. 全教職員に対して、模試業務を営利企業等従事として行うことについて、勤務のあり方、通勤・通学途上も含めて公務災害や生徒の健康センターの補償が適用されないことなどについて、これまで1年以上も明らかにしてこなかったことを謝罪した上で教職員や必要に応じて生徒、父母にその内容を周知すること。
  2. 模試業務をめぐっての混乱の責任が校長にあることを明確にし、今後、解決に向けて努力すること。
  3. 差し迫った7月模試については、教職員に監督を強制しないよう対応すること。また、今回の模試の実施にあたって生じる諸問題の解決については校長が誠意を持って対応すること。なお、この措置については緊急避難措置として今回限りのものであることを明確にすること。(9月以降の模試業務のあり方については、諸矛盾の解決に向けて県教委と交渉していきます)

以上、3回にわたって、業者模試の討議資料をお届けしました。今後、2学期に向けて、精力的に県教委と交渉を進めていきます。ご意見、ご質問等がありましたら、ぜひ本部まで連絡下さい。

2002年7月2日付 兵高教組調査部発行討議資料より


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