複数志願制導入決定の白紙撤回を要求する
教職員・父母・市民合意による、神戸第3学区にふさわしい入試制度を
県教委は、3月29日、教職員、父母、生徒、そして、神戸市民に対し一言の説明もせず神戸第3学区への複数志願制の導入を決定しました。「県が決めたことに神戸市民は文句をいわず従え」というきわめて横柄で官僚的な姿勢です。高教組は、複数志願制の導入決定をいったん白紙に戻し、市民の合意と納得に基づく神戸第3学区にふさわしい入試制度の検討を行うことを要求するものです。
高教組はなぜ、教職員・父母・市民の合意と納得を大切にするのか
高教組は、複数志願制の導入に反対です。しかし、私たちは、教職員はもとより、父母、生徒、そして、神戸市民に高教組方針を押しつけるつもりはありません。
現在の深刻な教育困難を解決するためには教職員、父母、地域の方々の協力と共同が不可欠です。そのためには幅広い意見交換と大方の合意と納得を得るねばり強い努力が必要です。「選抜制度の決定権は県教委にある。文句を言うな」というような時代錯誤の官僚的なやり方では、市民の支持も共感も得られず学校教育をいっそう悪化させるだけです。私たちは、神戸第3学区の異常な受験競争をどのような入試制度がより緩和できるのか、それこそ複数志願制も含め大いに議論をつくす必要があると考えています。
県教委の説明はあまりに荒っぽいT
⇒単独選抜と総合選抜の良い点を取り入れた
県教委は、複数志願制は、単独選抜と総合選抜制の良い点を取り入れたと説明しています。単独選抜の良い点とは自由に高校を選べること、総合選抜の良い点とは一定の点数以上の者は必ず公立高校に入学できることだと説明しています。
単独選抜地域で、合格を度外視するのであれば別ですが、自由に高校を選べるなどと信じている人は誰もいません。県教委が言いたいことは、「阪神地域の総合選抜制度のように地域に根ざした学校をつくるという考えはありません」ということだけです。
次にある一定の点数を取っていればいずれかの高校に入学できるという主張の問題点です。今でも、成績上位者が「無理」をせずいわゆる「下位校」を希望すれば必ず合格できます。よって、県教委の本当のねらいは、「より上位校に挑戦しなさい!失敗しても受け皿はあります、安心してください」と競争を煽ることにあります。さらに問題なのは、本来、開門率を上げ公立高校に入学を希望する生徒や父母の願いに応えるべきところをごまかしている点です。これでは、まるで成績優秀者を私学に取られたくないというような発想といわれてもしかたがありません。
県教委の説明はあまりに荒っぽいU
⇒加算点とパソコンの導入で改善された
県教委は、「高等学校教育問題調査研究会報告」(90年3月)において複数志願制について一度検討したことがあります。しかし、「受験競争の緩和や事務的な面での問題などがあるので除外した」として検討対象から除外せざるを得ませんでした。その後の「兵庫県における高等学校教育の改革の推進について」(94年4月高等学校教育に関する懇話会)では、検討対象にすらならなかったのです。複数志願制は、それほど問題点の多い制度なのです。ところが、今回、加算点の導入で格差の緩和ができる、パソコンの普及で事務処理が可能になったとして複数志願制を復活させたのです。
加算点とは第一志望と第二志望との間にハンディをつけるために第一志望に点数を加算する制度です。県教委は、この加算点を、例えば「トップ校」を第一志望、2番手校を第二志望とした場合には、第一志望が不合格になれば第二志望も不合格になる程度の大きさにするとしています。要するに加算点を設け、第二志望には3番手校への志望を「強制」することで高校間の格差是正をはかろうというのです。この結果、中学時代の努力や高校入試の成績とは全く関係のない加算点の使い方一つで合否が大きく左右されることになります。高校入試のギャンブル化の始まりといえます。このようなやり方は、第二志望による不本意入学を大量に生み出すだけでなく、加算点で入学した生徒とそうでない生徒との間に差別と対立をうみ、生徒たちの心を深く傷つけかねません。また、加算点によって高校間格差が是正されることなどあり得ません。むしろ、全ての生徒たちに第一志望と第二志望を書かせることで格差を今以上に鮮明に意識化させることになるのです。
次にパソコンで事務処理が可能になったなどという説明には、何の根拠もありません。パソコンでいくら数字が正確に早く処理されても、採点は従来どおり教員の手によって各校で行われた結果なのです。制度が極めて複雑でしかも序列化が進んでいるため第二志望合格生徒などからの答案用紙の公開請求も予想されます。そうなれば大きな混乱が生じるおそれがあります。もしその結果、合否判定に疑義が生じるような事態になれば、入試制度そのものに生徒・父母の不信が生まれることは火を見るより明らかです。
あらためて神戸第3学区への複数志願制導入決定の白紙撤回を要求する
複数志願制は、神戸第3学区の高校入試をいっそう歪めるものです。しかも、導入手続きが非民主的であるだけでなく、制度そのものもあまりにずさんなものといわざるを得ません。私たちは、あらためて複数志願制導入決定を白紙に戻し、教職員、父母、生徒、そして、市民の合意と納得に基づく神戸第3学区にふさわしい入試制度の検討を進めることを要求するものです。
複数志願制の問題点を知らせる5.12宣伝行動にみなさんの参加を
高教組は、複数志願制の問題点を地域の方々に知らせ、神戸第3学区にふさわしい入試制度の検討を呼びかける宣伝行動を行います。ぜひ多数ご参加ください。
日時 :5月12日(土) 10時〜12時及び13時〜15時
集合場所:高教組本部 垂水区勤労市民センター 須磨民商
⇒いずれでも結構です。
※詳細については、分会役員までお問い合わせ下さい。
高教組通信 No.3 2001年5月7日付 より
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