兵庫県高等学校教職員組合 書記長 永井章夫
11月29日にイラク北部・ティクリットで、日本の外交官二人がイラン人運転手とともに銃撃を受け殺害されました。米軍情報と現地警察情報が食い違うなど詳細は不明なところもありますが、「戦乱状態」の中で起きた痛ましい事件です。お二人に深く哀悼の意を表し、またご家族の方にお悔やみ申し上げます。
ところがこの事態となっても小泉首相は、イラクへの自衛隊派兵の方針堅持を強調しているのです。
ラクでは9月以降、米英軍に対するイラク武装勢力による攻撃が続発するとともに、11月になって米英軍以外に照準をあわせたテロも急増しています。同日にはイラク南部でスペイン人7名が、また北部の別に地域で韓国人2名が、米軍のイラク占領に反対する抵抗勢力によって攻撃を受け殺害されています。そして心に留めるべきは無辜のイラク市民がこれまでの戦乱の中で多数殺傷されていることです。
アメリカは、国際社会の反対を押し切ってイラクを攻撃し、フセイン政権を崩壊させたあとも占領を続けています。これに対し、いまやイラク国民の大多数が米英軍を解放軍でなく占領軍とみなし反発を強めてきています。このイラク国民の怒りを背景にテログループが暗躍し、イラク全土が戦闘状況となっています。その中へ自衛隊が派兵され「イラク復興」という名の米英軍の占領支援活動を行うなら、攻撃の対象となるのは明白です。また、自衛隊によるイラク民間人殺傷という事態も起こりかねません。
今こそ、「教え子を戦場に送らない」の決意を行動で示すときです。北海道高教組の調査によると、イラク派遣が予想される自衛隊師団の隊員の中に、現役の高校生(定時制)もいるとのことです。またこんなさなか、イラクに戦争に参加した米第七艦隊のミサイルフリゲート艦・バンデグリフトが11月28日、姫路港に入港しています。私たちの学校と地域がイラクの事態に結びつけられているのです。
小泉首相は「テロには屈しない」と繰り返し、自衛隊派兵を正当化しようとしています。しかし、それは逆にテロの温床を拡大させ事態を一層悪化させるだけです。
今、日本としてすべきことは、米英軍の不法な占領を一刻も早く終了させ、国連中心の復興支援に切り替え、速やかにイラク国民の主権が回復するよう国際社会に働きかけることです。そしてそのもとで、非軍事の人道的支援・復興に協力することです。
自衛隊のイラク派兵計画を即刻中止する事をもとめます。
(2003年12月2日)
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