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統廃合の3/7、総合学科の5/9を中止
高校の特色化政策の破綻明らかに
求められる高校教育改革「第1次実施計画」の抜本見直し

2004年01月08日


 県教育委員会は、「『県立高校教育改革第一次実施計画』における後期計画の推進について」(03年12月19日 以下「後期計画の推進」)を発表しました。同計画は、基本的には既に発表されている第一次実施計画の内容を引き継いでいますが3つの学区で高校の統廃合、そして、5つの学区で総合学科導入を中止するなど政策の「目玉」の部分で大幅な修正を余儀なくされています。これは、県教育委員会が進める教育予算の大幅削減と高校教育の特色化政策が職場、地域の強い反対によって破綻に直面していることを示しています。以下、「後期計画の推進」が出された背景とその問題点を明らかにしたいと思います。

「後期計画推進委員会」でねじを巻き直すはずだった

県教委は、昨年11月「県立高等学校教育改革第一次実施計画に係る後期計画推進委員会」(以下「後期計画推進委員会」)を発足させました。同委員会の目的は、第一に井戸県政による県行革見直しの一環として教育予算の大幅削減をめざす、そのために前期計画で不十分に終わった高校統廃合を一気に進める、第二に、高校教育の特色化をいっそう大規模に推進することでした。「後期計画推進委員会」とは、職場、地域の反対で不十分な実施にとどまっている「第一次実施計画」を「後半戦」で遅れを一気に挽回するため「ねじを巻き直す」目的で設置されたものでした。

高校教育の特色化政策は破綻に直面

高校教育課はことあるごとに「学びたいことが学べる魅力ある学校づくり」を強調し、生徒の希望による選択科目の設置、自分でつくる時間割などをうたい文句に高校教育の特色化を推進してきました。その中心施策が総合学科、単位制高校、類型の導入などです。

 高教組は、選択科目が持つ積極的な役割は評価しながらも、県教委が推進する「多用な選択科目の設置」は系統的な学習を妨げ、生徒たちの学力低下をまねき、教職員に過重な負担を強いることになると批判してきました。そもそも生徒に好きな教科・科目を選択させれば意欲を持って学習し、それで高校教育が活性化するなどという高校教育課の主張は、少しでも高校教育に携わった者であればおよそ受け入れられるものではありまでせんでした。よって、「後期計画推進委員会」において父母、産業界の代表から特色化した高校や教科・科目を中学生が選択することは本当に可能なのか、学力保障は大丈夫なのかなど次々と疑問や批判が出されたのも当然のことです。高校教育の特色化政策は職場、父母、そして、地域から受け入れられず、破綻に直面しているといえます。

現実を直視しない脳天気な高校教育課の政策

このまま事態が推移すれば今年も千名近い高校生が就職を希望しながら未収職のまま卒業していくことになりかねません。大学や専門学校に進学する生徒たちも「大学を卒業しても仕事があるのだろうか」「フリーターにしかなれないのではないか」など大きな不安を持っています。きびしい雇用情勢の下、将来への展望を持つことが大変困難な時期です。だからこそ高校教育は生徒たちに未来を見通す力、仕事を得、人生を切りひらく力の基礎を保障することが求められているといえます。

 青年を取りまく厳しい現実を直視するならば「生徒たちに自分の好きな教科・科目を選択させる」「自分でつくる時間割」「自分探しの高校生活」などを理念とする高校教育課の特色化政策は現実を直視しない脳天気な政策であるといわざるを得ません。また、子どもたちの未来を保障するうえで欠かせない地元の高校を奪う高校統廃合計画が地域から厳しい批判にさらされているのも当然のことです。県教委が高校統廃合、そして、総合学科の設置計画をを大幅に縮小せざるを得なかったのはこのためです。

しかし、その一方で県教委は、反対が比較的弱い複数志願制、特色入試の導入、類型・コースの設置などはあくまで強行する姿勢を崩していません。しかし、このような高校教育の特色化は高校生の願いに応えられず、決して高校教育の改善につながらないことも既に事実が証明しています。「第一次実施計画」の抜本見直しがどうしても必要です。

私たちが創造的な高校教育改革に一歩を踏み出す時

 少なくない高校生や大学生が「卒業してもフリーターにしかなれないのでは」と不安を抱いていることは先述の通りです。そして、例え有名大学に進学し卒業したとしても事態が根本的に変わるわけではありません。学校(高校・大学)のいうとおり学習し学校生活を送っていさせえすれば仕事が保障される時代は既に過去のものといえます。「就職のために、そして進学のためにしっかり勉強しなさい」と指導することは決して誤りではありません。しかし、多くの教職員が、このような教育には何かが欠けている、現在の高校教育に空洞が生じてきていると感じています。高校教育の中に生じてきている「空洞化現象」ともいえる状況を打開し、私たちの側から高校教育改革の道筋を理論的にも実践的にも明らかにすることが求められているといえます。各職場、地域から創造的な高校教育改革に向け一歩を踏み出す時がきているといえます。

兵高教組教文便り No.9


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