Homeニュース一覧ニュース

不当な研修権制約に対する見直しを
「河合」損害賠償事件からの教訓

2004年02月16日


河合なる人物が研修報告書の開示を口実に、県下各地で無断で職員室や教室に入る、教職員を大声で罵倒するなどの犯罪行為を繰り返してきました。そして、県教委や一部校長は、教職員の管理統制強化、自主的な研修の制限に利用できるという理由からこれらの犯罪行為を容認してきました。今回の事件をふまえ、同様の事件を二度と繰り返さないためにその教訓を明らかにすると同時に、「河合対策」などと称して進められてきた自主的な研修権に対する一連の制約措置に対する全面見直しが求められているといえます。

河合が引き起こした損害賠償事件とは

昨年夏、河合なる人物が、勤務に関する記録簿を見せろと学校に押しかけA教諭(小学校)に面会を強要し、大声で罵倒したことにより同教諭が急激なショック症状を起こし救急車で病院に運ばれるという事件が起こりました。現在、同教諭は河合に対して損害賠償を請求し裁判に訴えています(以下、「河合」損害賠償事件)。

同事件については裁判において、

  1. 校長が河合の恫喝に屈しA教諭に面会させたこと
  2. 校長が「過去の事象」から判断して河合の行動を止めることができないと判断していたこと
  3. 県教職員課長に電話せよと求めていたこと

などが明らかになっています。河合のこの手法は高校における研修報告書をめぐる一連の事件と全く同じと言えます。

河合の蛮行を放置・助長してきた県教委、一部校長の責任は重大

高教組は、県教委及び校長に対し、研修報告書の開示を口実とした学校への不法侵入、公務執行妨害、脅迫などの犯罪行為を繰り返す河合に対し法的措置も含め毅然と対処することを再三にわたり要求してきました。高教組のとりくみによって、河合に対し毅然と対応すべきという職場合意が生まれ、また、一部に良識と勇気を持って対応する校長が出てくるなど高校職場では蛮行を許さないとりくみが進められてきました。

今回の事件を通してあらためて明らかになったことは、県教委が現在に至るも河合の犯罪行為に対し毅然と対処していないという事実です。同事件において河合は県教職員課長に電話するよう要求しています。校長はこの要求について「一校長が本庁課長に電話するなど、とうてい考えられない。」と裁判において証言しています。しかし、「とうてい考えられない」ような対応を県教委はこれまで繰り返してきたのです。そのことを知っていた校長は「過去の事象」から判断し心ならずも河合に屈服せざるを得なかったのです。このことは、県立高校において、県教委が校長に対して「(河合には)丁寧に対応するように」などと公然と指導してきた経緯からも明らかです。以上をふまえるならば、今回の事件が引き起こされた原因の一つに県教委の誤った対応があったことは明白であり、その責任から逃れることはできません。

もう一つの問題は、河合の犯罪行為を積極的に利用し教職員の管理統制強化、そして、自主的な研修権の制約に利用してきた一部校長の対応です。毅然と対応すべき自らの責任を放棄し、「河合の問題があるから」「(河合への)公開にたえられるように」などと何ら正当な根拠も示すことができないまま管理統制の強化と研修報告書改悪などを繰り返してきた校長の責任も重大です。河合に対して毅然とした対応していれば今回のような事件は防げたはずです。一部校長もこの点でその責任を逃れることはできないと言えます。

「河合」損害賠償事件からどのような教訓を引き出すべきか

A教諭は、裁判の冒頭陳述において「損害賠償を求めていますが、お金の問題ではありません。河合氏は、やりたい放題、学校現場に入り込み、かき回してきました。教育に人生をかけてきた私にとって、子どもたちの教育を守るためにも、勇気を奮い起こし提訴しました。兵庫県下の健全な学校教育が取り戻せるよう、願いを聞いてほしい」と述べられました。この陳述は、県教委と校長の誤った対応によって、河合に恫喝され悔しい思いをした高校の仲間の思いと重なるものです。 

「河合」損害賠償事件から引き出すべき教訓は何でしょうか。私たちは、このような事件を2度と起こさないためには、

  1. 学校教育に対する介入に対しては教育活動の自由と教職員の人権を守る立場を明確にし対処すること
  2. 県教委及び校長は、河合に対して諸手続きを遵守させ、犯罪行為があった場合には法的措置も含め毅然と対処すること

この2点が不可欠と考えます。また、河合の一連の犯罪行為を利用し、高校・障害児学校職場で進められてきた自主的な研修権に対する不当な諸制限も直ちにあらためることが必要です。

一連の不当な研修権に対する制約の見直しを

一部校長は、河合の犯罪行為を利用し研修権の行使に対し様々な不当な制約を設けてきました。これらは、教育基本法において自主的な研修が奨励され、教育公務員特例法において教員の研修権が権利として保障されているにもかかわらず「河合対策」などと称して行われてきたものです。とりわけ問題なのは、研修報告書の分量を増やし、報告内容を細かくチェックし事実上研修をとらせないようにしてきたことです。このような事態が広がったのは一部校長が河合にいわれるままに対応してきたことも一因です。そのことは、大量の研修報告書を提出させた校長が「河合さんに、この学校はよく研修しているとほめられた」などと発言していたことからも明らかです。

河合による脅迫に屈し、不当に制限されてきた研修権を、教育活動の発展のために積極的に利用できるよう研修報告書も含め全面見直しを行う必要があります。

高教組通信No.27


関連情報

パスワード