Homeニュース一覧ニュース

高教組通信 No.7 ◆「教職員評価」の試行実施 問題点を徹底的に明らかにしていこう

2005年09月01日


「教職員評価」の試行実施
問題点を徹底的に明らかにしていこう


 兵庫県でも教職員評価制度の試行が県立14校で実施されます。

「教職員評価」のねらいは?

 文部科学省は、当初は2006年度を着地点とした「公務員制度改革」 にあわせて教職員評価の全面的実施を全国におしつけようとしてきました。
 「公務員制度改革」については公務労組連をはじめとしたたたかいのなかで頓挫していますが、 総務省は「給与構造見直し」を強行し、成績主義の導入を可能にしようとしています。
 教職員評価について、文部科学省は2006年度からの全面実施を各県に押しつけています。 すでに東京、神奈川、大阪、香川、広島の各都府県で本格実施され、ほとんどの府県で試行が始まっています。
 教職員評価のねらいは、評価を給与・処遇に反映させ、 それによって教育行政や校長のたてた教育目標への忠実さを競わせようとするものです。 このことは教育基本法第10条が厳しくいさめている教育行政による 「教育に対する不当な支配」にあたるものであり、断じて容認できるものではありません。


兵庫での試行の方法は?

   兵庫県教委は今年度、県立14校で2学期から試行を開始し、 来年度は県立全校で試行、市町立学校へも拡大する計画です。
 今回の「目標管理チャレンジシステム」と称する教職員評価試行の方法は、 「学校目標」にもとづき、教職員が自己管理目標を校長面談を通じて設定し、 年度末にその達成度についてこれを校長が評価するというものです。
 県教委がしめした試行案は、その目的に「教職員の自主的・ 意欲的な業務への取組みを促し」としています。 しかし「学校目標」がどのように設定されたかを問うこともなく、 各教職員に具体的数値目標の作成を求め、年度末の自己評価にあたっては項目ごとにS・A・B・C・D、 校長の総合評定にもS・A・Bの数値評価を求めるなど、 およそ「自主的・意欲的な業務」を促すものにはほど遠く、 教育行政いいなりの教職員づくりにつながる内容が中心となっています。
 このような評価制度が学校と教育の破壊をもたらすものであることは明らかです。


「学校教育の自主性尊重は当然」(県教委)

 昨年5月、高教組は学校評価について県教委と交渉しました。 そこでの「学校の教育活動に対する評価は、教職員、生徒、父母、 地域住民の参加と共同の取り組みを励ますものとなること」という高教組の主張に対し、 県教委は「特に問題はない」と回答しています。 また、「教育委員会・校長はみずからの個別具体的な施策を学校評価を通して、 教職員に押しつけないこと、教委・校長は、教職員の専門性、教育活動の自由を保障し、 各学校における自主的な教育目標、教育課程などの決定を尊重すること」との要求に対して、 「学校現場の実態をふまえず、教職員の合意も得ることができないような恣意的なものを押しつけるのはよくない。 各学校における自主的な教育目標や教育課程などの決定は尊重する。 それにもとづく教職員の教育活動の自由な展開については生徒の実態などに応じて当然のこと」と回答しました。


数値目標のおしつけは教育の条理に合わない!

 教職員評価についても、県教委は同様の態度をしめしています。 これをふまえれば、校長が一方的に押しつけた学校目標に基づく自己目標の提出を 個々の教職員に求めることはできません。自己管理目標はあくまで教職員が主体的に定めていくものです。
 したがって試行が実施され、各教職員の自己目標の設定が求められたとしても、 まず学校目標が全教職員の十分な論議のなかでつくられたものであるのかが問題となります。 管理職が一方的に定めた学校目標など論外です。 そして、各教職員の目標については、あくまで教育基本法にもとづき、 生徒の成長を基本とした教育目標にしたがったものであることが重要です。 安易な数値目標の設定は教育そのものをゆがめてしまいます。
 教育活動の評価は、子どもたちがどれだけ成長したかが基準です。 その点では生徒・父母の意見をうけとめながら共同で学校づくりをすすめることこそが最も重要なことです。


先行の大阪では? 「役立つ」はわずか13%

 教員評価制度がすでに実施されている都府県の実態は学校をよくするために まったく役に立っていないことをしめしています。
 大阪府教委の「評価・育成システム試行実施のまとめ」(2004年3月)では 「意欲・資質能力の向上、教育活動等の充実、学校の活性化に 「役立つ」と答えた教職員は13.3%にとどまり、 「役に立たない」が47.4%のぼっています。 今年3〜4月に大阪府高教が実施した教職員を対象としたアンケート調査では、 意欲が、「あまり向上しない」が23.7%、 「まったく向上しない」が65.7%、「学校が活性化したと思わない」が79.9%となっています。 また校長が授業を10分程度みただけで評価したり、面談も5分以内が34.4%、 6〜15分が45.7%と形式的なものとなっています。 数値評価についても「日常の観察ができていないので『B』にした」などという校長もでています (詳しくは、大阪府教育委員会、大阪府立高等学校教職員組合の各HPをご覧ください)。


 県教委は今回の試行について、高教組に対し「時期的な問題もあり、 実施内容のすべてができなくてもやむを得ない、 年度末に対象校の全教職員からアンケートを実施して意見を聞く、 個々の教員の評価シートは本人には全面開示する、県教委に回収することはしない」と回答しています。 これを大いに活用し、この制度が学校教育をよくするものではなく、 教育破壊につながるものであることを試行をつうじて徹底的に明らかにしていきましょう。


パスワード