特別決議
いまこそ憲法・教育基本法が生きる社会と学校を!
テロを断固糾弾し、法と理性による平和的解決の実現をめざしましょう
9月11日、アメリカ合衆国で起こった未曾有のテロ事件は、世界中を震撼させ、平和を願うすべての人々に暗い影を落としました。多数の人々を「人質」にし、民間の航空機で自爆するという想像を絶する今回のテロ行為は、「いつ、どこで、どのような形で」テロに巻き込まれてもおかしくないという、これまでとは質的に違う恐怖をわたしたちに与えました。私たちは犠牲となられた方々と、その家族に対し心から哀悼の意を表します。テロ事件の真相を徹底的に明らかにし、法に基づき犯人を厳正に裁くこと、そしてテロに反対し、平和を願う世界の人々の世論の力でテロを根絶することが、私たちの願いであり、ご家族の願いであり、世界の人々の願いです。今回のテロは、人類社会全体に対する攻撃であり、私たちは残虐なテロ行為をいかなる理由があったとしても、断じて容認することはできません。
ところがアメリカブッシュ大統領は、このテロ事件に対する「復讐と報復」を煽り、「21世紀の新しい形の戦争」と位置づけ、着々と戦争の準備を進めています。しかし、軍事力による報復が、問題の解決につながらないばかりか、多くの罪なき犠牲者を新たに生み出し、テロ行為と武力報復の拡大という悪循環をもたらすなど、問題を泥沼化させることは明らかです。「何の罪もないアフガンの子どもたちが死ぬかもしれないようなことは、避けてほしい」(黒柳徹子)という言葉の重みをわたしたちは深く受け止めなければなりません。
しかし、世界唯一の被爆国であり、世界に誇る平和憲法を有する日本政府が、武力による「解決」という手段しかもたず、先頭を切ってアメリカの軍事的報復に協力しようとしていることは極めて大きな問題です。「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と定めた憲法第九条からみて、今回の自衛隊派遣が許される道理がありません。政府自民党は、今回のテロ事件に乗じて、新法によって憲法第九条を事実上葬り去ろうとしており、日本を「戦争をしない国」から「戦争ができる国」そして「戦争をする国」へ導こうとするものです。「武力には武力」ではなく、法による平和的解決を求め、そのリーダーシップを発揮することこそが平和憲法をもつ日本のとるべき道です。
教育基本法は、その前文で「この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。」と謳っています。教育基本法の趣旨に照らせば、憲法が息づく社会の実現はまさには教育の力にかかっています。私たちだけでなく、生徒たちもテロと報復戦争に疑問と不安を抱いています。ある学校の校長は「暴力で解決しようとするブッシュ大統領も小泉首相も間違っている。」と生徒たちに語りかけました。学校が果たすべき役割はここにあるのではないでしょうか。いま、日本の各地で、青年たちによる「報復戦争NO!」の声と行動が、大きく広がってきています。その取り組みを大きく発展させることによって、青年たちは、テロも戦争も許さない人類社会をつくる力と日本国憲法を実現していく力を成長させていきます。そしてそれは、彼らの将来にとっても、日本の将来にとってもどれほど大きな意義があることでしょう。
憲法、教育基本法が生きる社会と学校を21世紀に構築できるのか、いま、その大きな分岐点にあります。「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンの下、50年間取り組みを前進させてきた私たち高教組は、その先頭に立って、すべてのみなさんとともに、テロの根絶と、「軍事力ではなく法と理性による」解決をめざし奮闘するものです。
2001年10月6日
兵庫県高等学校教職員組合第156回中央委員会
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