兵高教組総発第186号 2000年1月13日
兵庫県教育委員会
委員長 並川明子 様
教育長 宮崎秀紀 様
兵庫県高等学校教職員組合 中央執行委員長 津川知久
「県立高等学校教育改革実施計画」第1次案の
抜本見直しを求める要求書
日頃より兵庫の教育の発展のためにご努力いただいていることと思います。
さて、兵庫県教育委員会は、1月7日の教育委員会において「県立高等学校教育改革実施計画」《第一次案》を決定しました。そして、関係諸団体の意見等をふまえ2月4日の教育委員会で正式決定し、3月中には、前期分(2000年〜2003年)の統廃合対象校名等を明らかにするとしています。
発表された「第一次案」の内容には、3つの大きな特徴があります。
一つは、10数校にも及ぶ大規模な高校統廃合計画を明らかにする一方、30人学級の実現、施設・設備の改善、教育予算の増額など教育条件の整備・充実については、具体策を何一つ示さなかったことです。私たちは、この背景には、教育・医療・福祉切り捨ての「行財政構造改革推進方策案」=県リストラ案(1999年11月1日発表)がある判断しています。
第2の特徴は、全日制高等学校長期構想検討委員会報告に比べ、その中身がより、第15、16期中央教育審議会答申及び学習指導要領で示された内容の先取り実施の傾向を強めるものとなっていることです。
第3の特徴は、複数志願制導入の狙いが、総合選抜制度、連携校方式という兵庫県の優れた教育制度を破壊することと、学区の拡大及び学校間格差をいっそう広げるという2点にあることが鮮明にされたことです。私たちは、以上のように「第1次案」は、数々の問題点を持った全日制高等学校長期構想検討委員会報告報告内容をいっそう改悪するものとなっていると考えています。
さて、私たちは、21世紀の兵庫の高校教育の在り方にかかわる重要な計画が、全日制高等学校長期構想検討委員会「報告」を踏まえているとはいえ、条例に定められた「学校教育審議会」での審議・検討も経ず、しかも、各方面から多くの批判や疑問が出ているにもかかわらず教育委員会事務局内部の検討だけで作業が進められてきたことに再三にわたり強い不満と懸念を表明してきました。
また、今回の「第1次案」作成に当たっても教育委員会は、私たちの意見を正式に一度も聞くことをせず、要求書(10月14日付)に対する回答すらしませんでした。このような姿勢で、父母・県民、教職員の合意に基づく高校教育の改革ができるのでしょうか。最後に、改めて、貴職の誠実な対応を求めるものです。
記
- 高校の統廃合は行わないこと。中学卒業生徒数の減少を先進諸国並の教育条件整備の好機ととらえ30人以下学級を実現すること。
- 現在実施されている総合選抜制度や連携校方式を維持発展させること。また、単独選抜地域を順次総合選抜制度や連携校方式、小学区制に移行させること。
- 学区拡大は行わないこと。受験競争を緩和するため、当面、神戸第3学区及び姫路福崎学区の大学区を分割すること。
- 受験競争を激化させ、学校間格差を拡大・固定化する「新しい選抜制度」=「複数志願制」は導入しないこと。また、他府県で高校、中学校教育を歪めるとして既に破綻が明らかになっている「推薦入試の拡大」や「学力検査及び調査書の取扱の弾力化」は行わないこと。
- 文部省が推進する総合学科、専門高校、中高一貫校などを無批判に各地域に押 しつけないこと。各高校が、父母・地域の方々の要求を教育活動に取り入れ、地域に根ざした学校として発展できるよう施設・設備、教職員定数を改善すること。
- 高校教育改革の目的が、教育基本法に掲げられた「人格の完成」「平和的な国家及び社会の形成者の育成」「個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、自主的な精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成」、及び、学校教育法に定められた「中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、高等普通教育及び専門教育を施す」にあることを実施計画に明記すること。
- 「第1次実施計画」を正式決定する前に兵庫県高等学校教職員組合との懇談・交渉の機会を設けること。
|