神戸第3学区へのあまりに拙速な導入はやはり慎重な検討が必要
◇この間の経過から 「あまりに拙速、再検討は当然」の声、広がる
2001年 3月29日、2000年度の期限ぎりぎりになって県教育委員会は、神戸第3学区への導入を決定・発表しました。高校教育改革計画では、「2000年度に制度・方法の検討。2001年度に選抜制度の周知。2003年度(2003年3月の入試)に大規模学区から導入」と計画されていたものです。
この日の発表を受けて、各新聞は「複数志願できる制度」と報道し、「複数を志願できる」という面だけの理解が広がりました。神戸第3学区の中学校では、対象学年となる中2の保護者は、教師に質問を寄せました。しかし、学年の教師も説明ができず、学校現場からも「『複数志願制度』とはどんな制度なのか」「県教委はもっと具体的な内容を示してもらいたい」という声が、中学校から広がりました。
そんな中、県教委は急遽、7月4日、神戸第3学区の中学校校長と現在2年生の 進路担当者を直接集めて、異例の「説明会」を開催しました。その説明会で、県教委の担当主幹は、「新しい制度。心苦しいが協力いただきたい」と述べ、それに対して、進路担当の教師から24の質問・疑問や意見が出されました。
県教委は、発行が遅れていた「複数志願制リ−フ」を7月に発行し各校に配布しました。
しかし、神戸第3学の中学校では、7月に県教委から配布されたリ−フを未だ配布されていない学校もあります。進路担当の教師も、親の質問があっても説明できないという状況です。その内容がよくわからないまま、学校からの説明もないまま、すでに、2002年の2月を迎えています。
◇市内の校長からも疑問や意見 県教委へ
「複数志願が導入されれば教育現場は大変」との声も出る中、神戸市の校長会は、2001年度末から2002年1月上旬にかけて「複数志願制」についての疑問・意見を集約し、県教委に提出しました。県教委も「いろいろな意見があって、検討作業が予定通り進んでいない」と現在の検討状況を回答せざるを得なくなっています。
◇しかし、何としても導入ありき、の県教委の姿勢
2月2日(土)に「垂水の教育を考える会」が主催し、150人が参加した、「出前ト−ク」(県教委が垂水区にでかけて来ての説明会)では、複数志願制の詳細な内容の説明で、担当係長が、説明につまり、衆目の中、説明不能に陥る、という事態がありました。それだけ、複雑でなかなかわかりにくい制度であることも明らかになりました。しかし、それでも、「加算点の公表も含めて今年度内に発表したい」と、その説明会で述べています。
◇神戸第3学区で不安が広がる。県行政として「説明責任」を果たしていない
「説明責任」が今、行政に求められています。複数志願制については、これがあまりに不十分です。
県行財政構造改革を進める知事部局の企画調整課 吉本局長は、2002年1月24日に、県の行政のあり方について、「反省をしないといけないところがいろいろある。それは、今まで県のやってきたこと、今の現状の説明責任を果たしているのか、ということである。井戸県政になり、参加と協働でありそれを重視していきたい。情報公開もすすめていきたい」と説明しています。この説明を踏まえても、県教委の「説明責任」はあまりにも不十分です。
高校入試制度は、制度であり、いったん変えるとしばらく変えられない、慎重な検討と合意が必要なものです。このままでは、神戸第3学区は「実験学区」になる、今の中2やそれ以降の学年はどうなるのとの不安が、神戸第3学区の小学校にも広がっています。
「複数志願制」は、1990年3月、県教委の「高等学校教育問題調査研究会報告」で検討され時、「受験競争の緩和や事務的な面での問題などがある」と、検討対象から除外されました。また、1994年4月の「兵庫県における高等学校教育の改革の推進について」(高等学校育に関する懇話会)では、「複数志願制」は検討の対象にさえなっていないものなのです。
◇県民・市民に納得いかない県教委の説明 2月2日(土)「出前ト−ク」より
県教委は、2月2日の垂水区での「出前ト−ク」で、「第1志望への『学びの意欲』に対して、加算点があって当然」と説明し、保護者から、「子どもの立場に立つと、これだけ格差がある中で、第1志望でも、いきたい学校じゃない。まして、第2志望は、もっとしかたなくの志望。ましてや、『回し合格』の高校は論外」との意見が出されました。中学校の教師からの、「生徒は、入試制度に振り回されている」との発言も出されました。
県教委は、複数志願制について、「新しい制度で、序列化をなくし、過度の受験競争の緩和を」と説明しましたが、神戸第3学区で、「高校間の序列や入学定員はそのままで複数校を志願できるようにすれば、受験競争がいっそう激しくなり、多数の不合格者が出る。また、どういう入試状況になるか見通しがたたず、高校選択や進路指導が大変になる」ことは明らかです。神戸第3学区は、1つの学区に39校の中学校があり、その数の多さがもともと異常です。まず、その改善が必要でしょう。
◇保護者・市民の関心を広げ、「再検討を」の声を広げよう!
当面、県教委の姿勢を踏まえると、「2月15日から3月初旬の県教育委員会」が「山場」になります。
60名余が参加した2月3日(日)の北須磨文化センタ−での「複数志願制 学習・交流集会」の後の地下鉄名谷駅での宣伝・署名行動(22名が参加)では、約1時間の行動で、「不安いっぱいの、複雑な高校入試制度=複数志願制の再検討を求める署名にご協力を」の呼びかけに対して300筆の署名が集まりました。
今、署名やチラシに付いている「はがき」(教育委員長は直接のはがきは読むようです。)の、県教委への送付などのとりくみを、急いで、大きく広げることが必要です。
複数志願制を考える会ニュース第4号 2002年2月5日付より
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