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「特別支援教育」ということ(神戸県立支部)

2003年09月30 日


「特別支援教育」の背景

障害児学校を無くし、すべて普通教室で受け入れる……?
「ともに生きる」という美辞麗句の裏で、すべてを既存の現場に押しつけ、
そして過労死の影が、ヒタヒタと近付いてくる……

(参考:2003.09.20発行『新聞全教258号』)

 現在、盲・聾・養護学校(学級)に通う小中学生は、日本全体で、16.5万人です。一方、普通教室で現在問題になってきているLD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動障害)、高機能自閉症などの子どもたちについて、新たに67万人と試算されています。

 小泉内閣発足直前の2001年1月、「特殊教育の在り方」報告によれば、
   *盲聾養護学校では、必要な教職員の充実が求められており、
    定数の改善を
……
   *医療的ケアその他を踏まえて指導の充実を……
   *寄宿舎は、自立し社会参加する力を養う重要な場であるから、
    ……居住環境の改善に十分配慮を……
   *特殊学級における教育の充実を図るため……
   *通級による指導については、適切な教育ができるよう教員の
    配置に努める
こと……
等の積極的提言もありましたが、これらすべて、2003年3月の最終報告では削除されています。少しでも予算がかかるものは徹底的に忌避したかのようです。

 その最終報告は、具体的にどういうことなのか。
 最終報告では、盲・聾・養護学校の制度を無くし、「特別支援(のセンター)学校」へと一本化する、としています。このセンター化によって、例えば教職員の定数の基準になる「学級数」が大幅に減って、その代わりに定数に無関係の「教室」が多数出現する、ということになります。
 今まで、養護学校の例えば6つの「学級」を無くして、そこに在籍していた生徒は普通学校の既存の学級に入ることになり、その生徒は時間割によって「特別支援教室」を<選択>し、そこに、その特殊授業を受け持つ講師や、センター校からの教師が派遣される、ということになる。
 その「個別の教育支援計画」の作成、特別な対応、抜き出し指導、障害に応じた指導、……等の高度に専門的な仕事の山が、その普通学級の担任と学校に、今までの仕事の上に積み重ねられることになります。このことで、その6学級分の定数が減らされ、数千万から億単位の予算削減になる訳です。

 『既存の特殊学級のための人的・物的資源の配分の在り方について見直しを行い……』と、最終報告(2003年3月)に、書かれています。

 つまり、これらの施策のために教職員を増やしたり、条件整備を進めたり、そういうことは何もせず、既存の障害児学校や、障害児学級の教員や施設設備をリストラして進める、ということです。
 これが、2001年4月の小泉内閣発足と「構造改革」路線の、日本国民に対する史上空前のクーデター的大転換が示している方向のひとつです。

 教育を巡る一連の転換政策は、今回の「特別支援教育」に限らず、一連の「構造改革」の大枠の下にあります。その大枠とは、
 『教育や社会保障の予算を大幅に削減し、大企業を優遇し、国の、国民に対する責任を放棄し、競争と自己選択・自己責任の社会へと大転換する政治』
ということです。教育基本法改悪、憲法改悪、有事立法から自衛隊イラク派兵、等々のすべてが、この路線に貫かれています。でも、これを跳ね返す力は、国民の中にある筈です。

県高支部ニュースNo.19より


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