争点をはっきりさせて、
私たちの要求が実現する政治に
いよいよ、総選挙が始まりました。選挙は、国民主権の日本において、国民一人 ひとりが「私たちの生活をどうするか」さらには「日本の将来をどうするか」について意思表示できる最高の機会です。私たちは、景気回復、賃下げ反対、超勤縮減、安心できる年金制度、30人学級実現などさまざまな切実な要求を持って運動を進めてきました。これらの要求が最終的に実現するためには、そのための予算を伴う法案が国会で成立する必要があります。
ところで、選挙の度に無党派層の増加が問題にされます。でもその問題は、マスコミが、選挙の争点を国民が正しく意思表示できるように伝えていないことから起こっている現象なのではないでしょうか。例えば、小泉「構造改革」で本当に景気は回復するのかという争点があります。私たち庶民にとっては切実な問題です。しかし、小泉「構造改革」の行き着く先が「消費税増税」と「憲法『改正』」であるということを見定めて、そのような政治環境の中で私たちの要求が実現できるかどうか考える必要があります。その意味で今度の選挙の争点は、次の2つだと思います。
1.消費税を増税していいのか。
2.憲法第9条を「改正」していいのか。
消費税を増税しないと、年金をはじめとする日本の社会保障は維持できないのでしょうか。憲法第9条を「改正」して、日本を戦争ができる「普通の国」にしないと、日本と世界の平和は実現できないのでしょうか。マスコミに惑わされず、私たちの現実の生活の場で、真剣に考えてみるときだと思います。
今の消費税が導入される前も、「消費税」は「福祉目的税」にすべきだという議論が盛んに行われました。しかし導入後は、医療や教育等を含めて、福祉はどんどん切り下げられました。何故、消費税は福祉目的に使われなかったのでしょうか。実は、使えなかったのです。導入されて以来の消費税徴収額は約130兆円になるのですが、ちょうどその間に約130兆円の法人税収入が減っているのです。このデータに、消費税増税の意図が明確に表れています。日本経団連は「消費税を上げるという政党に政治献金を出す」という方針をとっています。「消費税を上げて、その分法人税を下げよ」という指示なのです。
選挙という私たちの意志決定の結果が、「私たちはもっと苦しんでもいいから大企業を助けてやって下さい」ということにならないようにしたいものです。もし、小泉政権が本当に福祉の充実をやる気があるなら、無駄な大型開発や軍事費を減らして、まず福祉の予算を増額すべきです。
さまざまな憲法論議の中で、やはり最大の焦点は憲法第9条の改定です。今、憲法を「改正」したら何が起こるでしょうか。小泉首相は、「できるだけ早くイラクに自衛隊を派遣したい」と述べました。泥沼化し始めたイラク戦争が、やはり不正義な侵略戦争であったことを浮き彫りにするような事実や証言が、次々に出てきています。そのようなイラクに自衛隊を派遣すること自体が憲法違反だと思いますが、それでも憲法第9条があるからこそ「非戦闘地域への派遣」と言わざるを得ないのです。その憲法第9条が「改正」されると、どこへでも堂々と派兵できるようになってしまうかもしれません。さらには、教え子を再び戦場に送ってしまう時代が来るかもしれません。そのような方向で、日本と世界の平和、そして人間としての自由や権利が守られるのでしょうか。
戦後58年、憲法第9条のおかげで、日本は外国人を戦争で殺したことはありません。だからこそ、あれこれ言われながらも、諸外国から信頼されていたのです。その信頼をもとにした国連中心の自主的な平和外交を進めることこそが、今求められているのではないでしょうか。
今度の選挙では、以上の争点をはっきり意識して、私たちが今後の私たち自身の生活と日本の将来のあり方を決めるのだという主権者の立場に立って、投票所に足を運びたいものです。
2003年10月28日
兵庫高教組 神戸県立支部
支部長 吉田 耕三
県高支部ニュースNo.23より