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見上げてごらん、夜の星を(神戸県立支部)

2004年02月11 日


見上げてごらん、夜の星を


 夜、木星に先導された春の星座が、東の空に見えています。

 いい話を、友人が教えてくれました。新聞で読んだんだそうです。
 西アフリカの内陸国マリの若者についての話です。モスクがそびえる世界遺産の地で、民族や宗教対立、貧困を超え、穏やかな暮らしを願う人々についての話でもあります。
 その青年は、「星を信じて進め」という亡き父の教えを胸に20歳で独り立ちし、750キロ北方の塩田から100頭のラクダの隊列を率いているそうです。塩の商人です。
 サハラの果てでは、終わりのない戦火と憎悪が渦巻いていますが、同じサハラで、この若者は夜空の一点を指して言うんだそうです。
「あれがサハラの星だ。きれいだろう。世界の人々も星と同じようにお互いを信じればいい。そうすれば世界はきっと確かな道を進むはずだ。」

 忙しすぎる現代社会では、星は生活の外部にあって、信じるとか信じないとかの対象ですらなくなっています。でも、このマリの若者にとっては、私たちの生活の方が、「本当の生活の外部」であって、砂上楼閣で、壊れやすく、幽霊のような、まやかしと嘘に満ちた、道のない世界なのでしょう。だから、「星に従え。きっと確かな道が見つかる」と。

 星をじっと眺めていると、星たちが、私たちの錯綜した喧噪に満ちた現代社会とは隔絶した、或る張りつめた空間を開いていることに気付くことができます。
 本当は、私たちの生命は、現代社会でも、原始の太古でも、人類や地球を超えてあり得る限りの未来の果てでも、本来、星と共に生まれ、拡がり、それぞれに根付いていった結果であり、それ以外に在りようがない筈なのだけれど、私たち現代社会が罹患している病は、「自分の生存の根を断ち切る」というやっかいな症状を呈しているのかもしれません。

県高支部ニュースNO.35より


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