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目を覚まそう。起きあがろう。(神戸県立支部)

2004年02月16日


公開書簡:
『目を覚まそう。起きあがろう。』

「異議申立ては最も気高い愛国心の発露である」………トーマス・ジェファーソン

2003年4月7日  ジョン・ラッポポート

 私は、国防総省劣化ウラン調査団、元団長ダグラス・ロッキー博士に話を伺った。

 ロッキー氏は、10年前に、劣化ウランの影響に関する調査報告の任務を帯びて、イラクへ赴いた人物である。結果はあまりにも衝撃的であったので、国防総省は報告を封印し、彼を表に出さないように努めた。ロッキー氏みずからもウラン被曝をこうむった。だが、彼の診療記録にも、また何千とも知れない兵士たちの診療記録にも、被曝の事実は反映されていない。歴史は隠蔽され、書き換えられてしまったのだ。

 湾岸地域の現況について、ロッキー氏は語り始めた。
「民間人死者数を最低限に抑えていると主張する米軍の宣伝は、ばかげています。」
と、彼は言う。例えば、そもそも国防総省が、今度の戦争の作戦行動で、バグダッドで発射された巡航ミサイルのうち700発が行方不明であると認めていることからも、それは明らかだ。言い換えると、これだけのミサイルが、どこで着弾し、爆発したのか、誰にもまったく分かっていないのだ。
700発のミサイルと言えば、70万ポンド(約320トン)の火薬量になるのですよ。そのすべてに、劣化ウラン弾頭が装着されているのです。

 続いて、ロッキー氏は、1990年このかた、第2次湾岸戦争開始時期までに、約26万の米兵が身体障害を認定されていると、私に教えてくれた。
 死亡した復員兵は1万人である。彼はイラクの光景を毒の海として描写した。言うまでもなく、劣化ウランは毒である。だが、戦場の毒はウランだけではなく、他にも多種多様である。
「私はあの時の初期対応医療スタッフを数多く訓練しました。今では、彼らも亡くなっています」と、彼は言った。

 ここ何年間か、ロッキー氏は、同僚と組んで、現代戦遂行の「本質的に」避けがたい結末を説き明かした意見書を次から次へと発表した。その結末とは、時を超えて、消えることのない毒の染みた大地である。

 10年前にロッキー氏が湾岸に滞在していた時、劣化ウラン被曝から身を守るための防護マスクがまるで役に立たなかった。フィルターが致死性きわまる極微ウラン粒子の浸透を防げないのである。
私たちはあれ(ウラン)の味を感じることができました。しかも、米兵と戦闘員が曝される危険に、国防総省は完全に気づいていながら、まったく気にもしていない
と、彼ははっきりと言う。

「劣化ウラン弾とは」と彼は語った――「国防総省の誰かが言うように、砲弾をウランでメッキ加工したり、チップを装着するような生易しい話ではない。ウラン塊が本体に詰め込まれているのです。ちょうど、あなたの自宅裏庭にウランの延べ棒を転がしておくようなものなのだ。」

 さらに彼は、米兵が神経ガス防護のために服用するPB剤(フェノバルビタール、催眠剤・鎮静剤)そのものが神経系に作用する薬物であると説明した。神経ガス攻撃の直前に(PB剤を)服用し――さらに別の薬剤2種類で処置すれば――米兵たちは神経ガスから防護されもするだろう。だが、実際にPB剤が服用されるのは、予想される神経ガス被曝よりもずっと前である。要するに、米兵たちは『毒薬による神経攻撃』を当初からこうむっているのである。

 アフガニスタン、旧ユーゴスラビア、アメリカ国内各地――これら世界を取り巻く地名を、ロッキー氏は劣化ウラン汚染が目下の最大の問題になっている場所として列挙した。ロッキー氏は、現代における戦争の全体像、すなわち殺戮であり、同時に自殺でもある、その姿を描写し尽くしていった。

 たとえば、第1次湾岸戦争からこの度の開戦までに、イラクの人たちはバスラに水処理施設の新規建設を試みてきたと、ロッキー氏は語った。恐怖の病原性物質で汚染された水を浄化するためである。彼が言うには、建設が始まり、新しい施設が姿を現わす度毎に、それは破壊された……。

 私は唖然とした気持ちで話を終えた。マスコミは、光り輝くキャッチフレーズ『イラクの自由作戦』を掲げ続けている。イラク油田の防衛は「イラク国民の将来の富」を守るためであると、国防総省スポークスマンたちはまくしたてている。この質の悪いジョークは非常に不吉な新しい意味を帯びる。
 この度の戦争を「注意深く制御された軍事行動」としてマスコミが描写しているのも、自分たちが何を支持しているのかについて、まったく考えもしていないからである。(TV映像や新聞の)戦場解説地図と矢印と標的はすべて、自殺的な毒物複合汚染の雲で覆われているのだ。今、現実に何が起こっているのか――そして、すべてが終わった後で、何が起ころうとしているのか、私たちにもそれなりの真相を把握することができるだろうか。

 第1次湾岸戦争の結果、身体障害にかかった26万の復員米兵たちを、麻酔をかけられたようなアメリカ国民の目から隠すことに成功しているとしたら……
米本国で、そしてイラクで、これからの月日、これからの歳月、何を隠すのだろうか?
どれほど多くのガン症例を…?
どれほど多くの先天性異常出産例を…?
どれほど多くの腎不全と肝不全を…?
どれほど多くの免疫系障害を…?
どれほど多くの家族が、イラクの戦場から帰ってきた息子や娘がやがて衰弱していくのを見ているしかなく、それでも国防総省からは外傷後ストレス障害にすぎないと聞かされることになるのだろうか?
どれほど遠くまで、毒物の雲は漂っていくのだろうか?
どれほど多くの病例が細菌感染症であると誤診されることになるのだろうか?

 私たちは狂気の時代に生きている。それでも何としても、私たちは決まりきった日常性を超えて生きなければならない。破壊に見合う怒りを奮い起こさなければならない。今という時に向かい合わなければならない。
 嘘で敷き詰めた偽の床を踏み抜こう。踏み破ってしまおう。利口な体制支持者たちの戦争賛成の声は、時代遅れの心象風景を見ているのだ。彼らは戦争の幻想を見ているのだ。彼らはもはや有りもしない状況を空想しているのだ。

 目を覚まそう。起きあがろう。  ジョン・ラッポポート(www.nomorefakenews.com)


編集後記
★中国から吹いてくる黄砂には、さらに遠くアラビアの砂が混じっている。かつてチグリス・ユーフラテスの古代文明を育み、今や劣化ウランに汚された砂が。★中学生が配っていた自衛隊のイラク派兵反対のビラには、「僕達は、次はどんなビラを配ることになるのだろう?」と書かれていたという。★地球は一つだ。一つ、というのは、かけがえのない現在、という意味でもあり、かけがえのない未来、という意味でもある。いくつもの未来が私たちに許されているのではないのだ。★未来を、現在の狂気から守るために何かをしよう。大陸からは太古の香りのする黄砂が吹いてくるように。そして手渡されるビラには、世界を優しく感じられることばが溢れているように。目を覚まし、起きあがろう。(meiro)

県高支部ニュースNo.36より


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