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卒業生への手紙(神戸県立支部)

2004年02月25 日



 卒業式のシーズンがやってきました。県高支部では、本部作成のビラの裏に県高支部独自の手紙を印刷して、卒業生に配布します。
 支部ニュースにも『県高支部から卒業生への手紙』として載せました。


ご卒業おめでとうございます。

 今、日本は平和を守ることができるかどうかの瀬戸際に立っています。

 皆さんは、一九四五年に終わったアジア・太平洋戦争について、ご存じでしょうか。十五年間続いたので十五年戦争とも呼ばれています。最後の5年間は太平洋戦争と呼ばれていますが、それまでは、日本が大陸へ侵攻し、中国をはじめアジア諸国を占領していきました。この悲惨な戦争によって多くの犠牲者が出ました。

  この戦争の犠牲者 日本人は三百万人
          アジアの人々は二千数百万人

 日本軍によって侵略されたアジアの国々では、今もなお、侵略・占領の象徴だった「日の丸」や「君が代」に強い不快感を持つ人々がたくさんいます。日本国内で唯一戦場になった沖縄でも、「日の丸」と「君が代」のもとに、多くの人々が日本軍によって殺されました。

 戦争が終わり、私たちは、もう二度と戦争はしないと誓い、平和憲法を制定しました。だからこそ日本は、戦後五十九年間、直接の戦闘行為で外国人を殺していないという世界でも稀な国であり続けています。そして私たちは、このことを誇りに思ってきました。

 しかしその一方で、日本政府は、そのようなアジア諸国の人々の抱く不信感に対して十分な謝罪や反省をするどころか、その気持ちを逆なでするかように、アジア諸国に対する戦争犯罪人をまつっている靖国神社の参拝を繰り返しています。

 そして今、戦争をしていた当時の日本が、反省もないまま甦ろうとしています。 みなさんもご存じの通り、自衛隊がイラクに派兵されました。これは平和憲法を踏みにじる行為です。直接の戦闘行為で他国の人を殺す可能性が出てきたのです。しかも、平和憲法を大切にしようという私たちの願いとは逆に、政府は憲法を変えることを公言しています。

 一九九九年には、国民的な合意がないまま、「日の丸」を国旗、「君が代」を国歌とする法律が制定されてしまいました。その時、政府は「掲揚・斉唱の義務づけはしない」「個人の思想や良心の自由を侵すものではない」と明言したにもかかわらず学校への強制を強めてきています。このこともまた、日本が平和憲法を捨てること に、そして戦争への道を歩むことにつながると考えています。私たちは、卒業式での「日の丸」や「君が代」の押しつけに反対します。

 卒業式での「日の丸」と「君が代」とをきっかけに、皆さんが、今起こっている戦争や政治の動きにこれまで以上に関心を持ってくれることを期待します。そのことが、戦争をなくし、平和を生みだし、世界の人たちの友好をより発展させることにつながることになります。

 卒業式では、高校生活をふり返りながら、それぞれが決めた新たな場所でがんばる決意を固めてください。皆さんのこれからのご活躍を祈念します。ご卒業おめでとうございます。

二〇〇四年 二月吉日

兵庫県高等学校教職員組合 神戸県立支部
      支部長 吉田耕三

支部ニュースNo.37より


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