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文科省、「指導力不足教員」攻撃の嵐(神戸県立支部)

2004年09月14日


文科省、「指導力不足教員」攻撃の嵐

すべての都道府県教委が追随した

 「指導力不足教員」について、この1・2年で文科省の対応が急激に硬化し、すべての都道府県・政令指定都市に対して、その対応を強制した。文科省の資料(2004/04)によると、その「認定」の総数は、次のようになっている。

 (2004年4月の時点で、「指導力不足教員認定」実施の教育委員会の合計)
2000年度  65名が認定され、研修を受けた 52名中、復帰したのは18名
2001年度 149名が認定され、研修を受けた119名中、復帰したのは39名
2002年度 289名が認定され、研修を受けた226名中、復帰したのは94名
2003年度 481名が認定され、研修を受けた298名中、復帰したのは97名
 見てわかる通り、年を追うごとに倍増してきているのは、年を追うごとに認定を行なう教委が増えているからだけではなく、東京都や神奈川県のように、大量に認定するところが出てきたからでもある。
 また、資料は、「平成15年度中には、47都道府県・13指定都市教育委員会すべてにおいて、指導力不足教員の認定が行われ、人事管理システムの運用が開始される」と書かれているが、これは、「日本の教育委員会すべてが、文科省を頂点とする上意下達システムのもとにある」ことを言外に含んでいる。

なぜ今「指導力不足教員」キャンペーン?

 ところで、「指導力不足教員」問題とは、一体何なのだろうか。何故今、他の重要な問題をさしおいて、まずこのことが一大キャンペーンとなって出てきたのか。
 「指導力不足教員」問題は、その対極として「優秀な教員に対する表彰制度とそれに連動した特別昇給等の実施」を含んでいて、「(アメとムチの)教員評価」の一環として位置付けられている。そして、その「評価」によって、「指導力不足教員」を排除し、教員の分断と序列化を通して支配する構図になっている。だからこの問題は「人事管理システム」の問題なのである。一言で言うと、「人の弱い所につけ込んで」ということだ。
 これは、現在国が押し進めている「市場原理(新自由主義)」による競争のなかに教員を追い込むことであり、「公務員制度改革」や「学校評価」や「学校の特色化」を通じて、国が、「資金をかけずに」、つまりそれぞれの現場が自分で自分の首を絞める形で、現場を支配しようとする意図に貫かれている。それは、たとえば各学校が独自の「特色化」をしなければその学校は「生き残れない(いつ統廃合されるかわからない)」と思いこまされて、まるでキャッチセールス詐欺のようだと半ばわかっていながら特色化をでっち上げざるを得ない状態になってしまうのと同じ構図である。いわば、「勝ち組と負け組は自己責任で」とか、「学校にはこんなとんでもない教師がいる」ということの強調とか、そういう心理の網をかぶせるだけで、現場は操り人形のように動く。現場は、ただひたすら疲れていき、権力に従順な教師が増えてくる。それが、支配の中身だ。

兵庫県「フォローアップシステム」の歪み

 文科省の強制に一番最後に従った教委の一つである兵庫県では、「指導力不足教員」について、「排除」ではなく「支援」をするというスタンスで、「フォローアップシステム」を今年から稼働させ、十数名分の予算を計上した。
 けれど、校長が、自分の気に入らない教師に対して「指導力不足教員に名前を挙げるぞ」と恫喝した例が報告されるなど、かなり恣意的な有り様が予見される。

 兵庫県では、初年度である今年、「指導力不足教員」として3名が認定され、全員現在「研修」に入っている。そのうちの1人を例に、「認定」にあたってどのように恣意が働き、どのような矛盾があったかを見てみたい。

 まず、このシステムの対象とする「指導力不足教員」とは、 『児童生徒の学習活動、学級経営、生徒指導、あるいは児童生徒・保護者等との人間関係において著しく適切さを欠くため、教育活動に支障をきたし、研修等必要な措置を講ずる必要がある者。ただし、病気休暇中の者及び健康管理審査会の管理下にある者は除く』 と定義されている。 しかし、彼が認定を受けたのは、
@出勤簿の押印ができていない。
A職員室の座席に着いていない(別の場所で仕事をしている)。
B定期考査で統一テストをしていない。
C分掌の総務部の仕事をしていない。
の4点であった。これらが何故上記の定義に当てはまるのだろうか?

 さらに、
@ 校長は、まず校内で本人の指導力向上のための「支援」体制を組まなければならないのだが、それをしていない。
A 校長は、教委に挙げる報告書で、3年前からのことを書いているのだが、それは又聞きと想像によるものであった(高教組調査団の追及に彼は「推測で書いた」と白状している)。
B 本人は、「申立書」を書くのだが、校長から何が問題で「フォローアップシステム」に挙げられたのか聞かされていない(校長は慌てて、報告書を読み上げた)。これでは、本人の身分に関わることが、本人の知らない間に、思い違いや誤解や虚偽の報告でさえ、何のチェックも受けないまま進行することを意味している。また、その「認定」が校長の報告を追認するだけのものになっている。公正な判定が為されているとは言い難い。
C 判定の段階で、本人は一切関与できず、意見を述べることも、反論・弁明の機会もないままで、校長の報告が唯一の資料となっている。

「フォローアップ」を「支援」だと言いながら、これではただ単に、校長の気に入らない教師を「排除」するシステムにしか過ぎないだろう。

 ※ (丹有支部ニュースから)高教組は、彼とともに、8月11日、人事委員会に不服申し立てを行い、県に報告書等の公開請求を行いました。このような悪質な適用がまかり通れば、職場、学校現場、教育活動が破壊されます。他人事ではないのです。校長の横暴は、教職員を苦しめ、ひいては生徒にとっても不幸です。
 今回の研修辞令の撤回を求めて、取り組みを進めます。

県高支部ニュースNo.15より


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