イラクからの公開メール
ドナ・マルハーン(オーストラリア)
今年4月、オーストラリア人がイラクで「武装グループ」ムジャヒディンに拘束され、日本と同様の経過をたどって解放されたなかの一人、ドナ・マルハーンさんが、この度、11月24日再びバグダッド入りを果たしました。賛否あるなかで、ハワード首相に宛てた公開メール(11/28)を抄録します。
親愛なるハワード首相殿 (CC ダウナー外相殿)
私がバグダッド帰還の途につきましたことをお知らせしたく思います。イラクのたくさんの家庭の苦難を軽減するための人道的援助の仕事を続け、あの国の人々に状況を報告し、平和のメッセージを送るためです。
前回のイラク滞在の終わり頃には、イラクの人たちは私に「なぜオーストラリアが我々に危害を加えようとするのか」とか「あなたの国の政府はアメリカにくっついていくのか」などと尋ねるようになっていました。
あの人たちとの友好的な関係が変質するのを、私は感じました。暖かさが消えてしまったのです。
今回のイラク訪問では、私は通りを歩くことができないでしょう。かつてのあけっぴろげの歓迎の代わりに不安と疑いに迎えられるでしょう。
ハワード首相、私はオーストラリア人であるために、大変な命の危険にさらされています。私たちには何の脅威でもない国を侵略するというあなたの決定が、一国民全体の怒りを招き、その人たちを大変な混乱に突き落としてしまっていることが、おわかりですか。
ここでひとつ、あなたにお願いをしなければなりません。私は2004年12月の間じゅうイラクにいますが、謹んでお願いいたします、どうぞ、その間、あなたの口を閉じ、この侵略について熱意をこめて語ったり、占領を賛えたりなさらないでください。
あなたやダウナー氏の発言がイラクはじめアラブ全体のマスコミで大々的に流されていることに、あなたはお気づきでないかもしれません。
わたしはイラクで無事でいるつもりですが、反乱グループのどれかに捕虜として捕まえられても、そのとき私の命を救ってくれるものがあるとすれば、それはあなたとあなたの政策に反対してきた私のこれまでの経歴でしょう。それが私の唯一の希望です。
もしそのようなことになったならば、うわべだけ私の身を気遣うような言葉は一切慎んでください。イラク国内のどんな集団とも連絡を取ろうなどとはしないでください。私を「救出」しようなどとはなさらないでください。
それよりも、前回のときのあなたの、私を愚かで無責任だという、誤った情報にもとづく侮辱的発言を変えずに繰り返していただきたいと思います。たぶん、あなたが私を批判するのを聞けば、抵抗勢力の人たちは、私が何か正しいことをしているのだと思ってくれることでしょう。
これは本気でお願いしているのですから、どうか、これは守ってください。私のこのお願いの件は、バグダッドのオーストラリア大使館のほか、私の家族や友人の広範囲におよぶネットワークにも伝えます。
私はこのような状況のなかに、何の準備もなしに入っていくのではありません。自分の身の安全には徹底的に注意を払っており、必要な場合には オーストラリアその他の国のイスラム教徒たちが私のために擁護の動きをしてくださる手はずは整えてあります。
私の引き受けようとしている危険は重大なものです。そのことはよくわかっていますが、私はそれが必要だと考えます。
イラクという素晴らしい国全体に言うに尽くせぬ苦難を引き起こした占領にあなたが言語道断にも参加して、私たちの国にひどい恥をかかせたと私が言うとき、私は何百万ものオーストラリア人の叫びを繰り返しているのです。
私はこの恥を打ち消す何かをしなければなりません。
あなたの政策とその帰結を拒否すると私が言うとき、私は何百万ものオーストラリア人の声を代弁しているのです。
私はイラクに赴き、このことを伝えなければなりません。
あなたの軍事的関与に匹敵する友情と共感の人道的関与を必要とするということを、私は心から語っているのです。
この思いを届けるために、私は行かなければなりません。
ハワード首相、あなたのおかげで私は、この大切な任務をもってイラクに戻るよりほかなくなったのです。
草々 ドナ・マルハーン
http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/443
県高支部ニュースNo.26より