Home支部・単組・分会より新着情報

退職に際して思うこと/「教育労働者であり続けたい」〜3(神戸県立支部)

2005年06月21日



退職に際して思うこと

「教育労働者であり続けたい」〜3

石倉 勝(神戸養護学校)

新米教師の苦い思い出

 この学校(伊丹の夜間高校)でも、教師として苦い思い出もあります。  私学を中途退学してきた生徒二人が、私に抱いた期待に応えられなかったのです。  二人との出会いは、修学旅行のホテルでの騒動でした。夜の10時半ごろ、フロントから「お客から苦情が来ている」の連絡を受けて駆けつけると、ディスクの音量を一杯に上げて踊っている生徒たちの傍らで、お客と言い争っていたのが、その二人だったのです。「絶対にやめない!」と殴りかからんばかりの剣幕で迫り、1時間ほど対峙したのでした。彼らは、また帰りの船上で「海には落とすな」の取り決めをした上で、大阪の某私学のグループと喧嘩をはじめたのです。駆けつけた時は、相手のリーダー各の生徒の頬が腫れ上がっていました。その生徒が反撃しなかったのは、次は退学という瀬戸際にいたためで、大騒動に至らずに済んだのでした。

 その事件の半年後の春休み。その二人が、私の転居を耳にして、「トラック2台を持っていくから、運送屋に頼まないでね!」と申し出てきたのでした。私は妻の進言もあって常識的に考え、運送屋をキャンセルしなかったのです。彼らは「約束」通り、トラック2台でやって来ました。運送屋でアルバイトをしていたと言っていただけあって、その働きぶりは素晴らしく、運送屋以上でした。しかし、彼らのトラックは使わずじまいだったのです。夜の7時頃、「先生も、やっぱり僕等を信じてくれてはいなかった」と二人は帰っていったのでした。

 今の私なら、彼らの心情を思い、一方的な申し出であったとしても喜んで受け入れていたでしょう。私の転勤後、彼らは再び事件を起こしたのです。彼らを守ろうとする元同僚に呼ばれて出向いたのですが、部外者としては何も出来ず、結局、二人は退学していったのでした。

(次回に続きます。)


2005県高支部ニュースNo.10より


パスワード