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イラクの少女から、イギリス国民への手紙(神戸県立支部)

2005年07月19日


ロンドンの爆破事件で、
イラクの少女から
イギリス国民への手紙

 私はこの手紙をイギリス国民、特にロンドンに住む人々に宛てて書いています。

 皆さんは絶望的な不安と恐怖の時を何時間もすごしたことでしょう。そのようななかで皆さんは家族や友人を失い、私たちは人の命が失われることを私たちも悲しんでいると誠実に告げようと思いました。人の顔にあらわれる苦痛と絶望を目にするとき、私たちがどれほどの痛みを感じているか話すすべを持ちません。なぜなら、皆さんの国とアメリカ合衆国が同盟してイラク攻撃を計画して以来、私たちはそのような状況のなかで暮らしてきて、さらに毎日そのなかを生きつづけるのですから。

 イギリスのトニー・ブレア首相は、爆発事件の犯人はイスラムの名のもとにこれを実行したと宣言しました。アメリカのコンドリーサ・ライス国務長官は、この爆破事件は野蛮な行為だと論評しました。国連安保理は会合を開き、満場一致でこの事件を非難しました。

 自由なイギリス国民に次のようにお尋ねすることを許してください。

 私たちの国は誰の名で12年間も経済封鎖を受けたのですか?
 私たちの都市は誰の名で国際的に禁止された兵器によって爆撃されたのですか?
 皆さんの名のもとにでしたか?
 それとも、宗教の名前でしたか? それとも人類? 自由? 民主主義?

悲しみの老婦人たち  皆さんは200万人以上の子どもへの殺人行為を何と形容しますか?
 劣化ウランその他の有毒物質による土壌と水の汚染を何と表現しますか?

 アブグレイブ収容所とブッカその他の捕虜収容所など、イラクの拘束施設で起こったことを、皆さんは何と表現しますか?
 男と女、子どもへの拷問を何と表現しますか?
 拘束された者の体に爆弾をくくりつけ、彼らを粉々に吹き飛ばすことを何と表現しますか?
 手足を引きぬいたり、目をえぐったり、皮膚にタバコの火を押しつけ、髪の毛にライターで火をつけたりというような、イラク人収容者に対する拷問手法を考案することを何と表現しますか?
 イラクを占領する皆さんの国の軍隊の行動を言いあらわすのは、「野蛮」という言葉で十分でしょうか?

 国連安全保障理事会は、アミリヤでの大虐殺やファルージャ、タル・アファル、サドル・シティー、ナジャフで起こったことを、なぜ非難しないのでしょうか?
 なぜ世界は私たちの国民が殺され、拷問されていることを目にしても、私たちに対してなされている犯罪を非難しないのでしょうか?
 苦痛を感じることができるのは皆さんだけで、私たちには感じることができないと思いますか?

 実際、子どもたちを失った母親、あるいは家族を奪われた父親の苦痛がいかばかりかを最も知っているのは私たちだと思います。愛する人々を失った苦痛のほどは、私たちにはとてもよく判ります。

 私たちが失った人々のことを、皆さんはご存じなくとも、私たちはよく知っております。皆さんの記憶になくても、私たちは彼らをよく覚えております。皆さんが涙しなくても、私たちは彼らのために泣いています。

 皆さんは幼い少女ハンナン・サリフ・ムトルドの名前を聞いたことがありますか?
 少年アハマド・ジャビル・カリムとか、サイード・シャブラムという名前を耳にしましたか?

 そうです、私たちが失った人々にも名前がありました。彼らは1人1人がそれぞれの顔を持ち、ものがたりを持ち、思い出を持っています。彼らが私たちといっしょに過ごし、笑い、遊んだ時間がありました。彼らは皆さんがそうであるのと同じように、夢を持っていました。彼らにを待ち受ける明日がありました。しかし今日、彼らは目ざめる明日もないまま、私たちの胸のなかで眠っているのです。

 イギリス国民の皆さん、あるいは世界の皆さんを憎んでいるのではありません。イラク戦争が私たちにつきつけられたとはいえ、私たちは今、みずからを守るためにこの戦争と戦っています。なぜなら、わが祖国イラクの自由な大地に住むことを願い、皆さんの政府やアメリカ政府の望み通りではなく、私たちが望むとおりに生活することを願っているからです。

 亡くなられた方の家族には、木曜日の朝ロンドンを襲った爆弾事件の責任はトニー・ブレアと彼の政策にあるのだと知らせてください。

 イギリス政府がすすめているイラク国民に対する戦争を止めてください!
 イギリス軍がかかわっている日々の殺戮(さつりく)を止めてください!
 イギリスのイラク占領を終わらせてください!

イラクで今……

増殖する壁〜バグダードのパレスチナ化〜

 イラクの人々はそれをアスルと呼んでいる。日本語で言えば、「壁」。重さ5トンの巨大なコンクリート板でできた高さ3.7メートルの壁である。この2年にわたって拡張を続け、周囲少なくとも10マイル(16キロ)も切れ目なく続く城壁のように、バグダードのアメリカ軍の本拠地(グリーンゾーン)を取り囲むまでになった。バグダードの街は寸断され、占領軍はいつまでも居座るつもりだと無言の圧力をかけている。……まるで、パレスティナを寸断するように延々と建設され続けている「アパルトヘイトウォール」のように。

編集後記
★尼崎の事故の負傷者の3割以上が、まだ列車に乗ることができないと新聞にあった。★日常生活の中に急激に開いた恐怖の扉を、心の中で閉じられない。★イラクの少女は、それが毎日のように起こっているのだ、と訴えている。★同日の新聞にも、イラクで、タンクローリーの自爆テロで98名が死亡、とあった。私たちに何ができるか、考えよう。


2005県高支部ニュースNo.14より


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