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教基法の改悪を許してはならない(6)
〜彼らの発想は何処から来たか〜 連載終わり
憲法も、その教育版である教基法も、戦後日本の建設のなかで産声を上げました。だから、前にも書きましたが、「建設……これから始まる」という期待と理念に満ちています。
しかし、改憲論者(つまり教基法「改正」論者)は、その「期待と理念」を憎悪しているかのようです。「今や理念なんか言っている時代じゃない。邪魔だ」と。
どんな意見にも「理」はあるでしょう。だから、ここで私たちが述べてきたことも、その「理」のなかのひとつです。ただ、そういうふうに考え始めると、すべての意見が相対的になってしまい、収拾がつかなくなってしまいます。しかし、「何を根拠としてそう言うのか」ということを視野に入れると、それぞれの意見の背景が見えてきて、いわば「交通整理」ができます。
では、小泉政権が次々に繰り出してくる法案は、一体何を根拠にしているのでしょうか。そして、私たちがここで述べてきたことは、一体何を根拠にしているのでしょうか。
そのことを説明する前に、まず、「保護区」という問題について簡単に述べておきます。
「豊かな社会」は、単独で豊かであるのではなく、「豊かでない地域」を前提として成立しています。例えば、大量消費の前と後に、「資源を安く買いたたかれる地域」と「大量放棄される地域」とが、必然的に付随するように。つまり、「保護区」は、必然的に「保護区外」を前提とするのです。それが市場原理主義のもとでは、「保護区外」は、保護区によって強制的に管理下に置かれます。
今、例えば日本では、「保護区」とは、「政策を決定する側(中央)」のことです。また、史上空前の利潤を挙げている企業経営者たちのことです。例えばアメリカでは、「戦争する」と決める人々、その戦争によって利益を得る軍需産業、その軍隊によって海外拠点を守ってもらう企業です。これらの「保護区」は、国境を越えて連帯しています。
「保護区」は、「保護区外」を支配下に置きます。それは、進出していった海外拠点のこともあるし、自国のこともあります。「保護区」は、「保護区外」から税金や労働力や兵力を集めます。そして、「保護区」の人々は、自分たちが利益を得たり、権力が強くなれば、そのことによって「保護区外」の人々もそのおこぼれにあずかって「それなりに豊かになる」と考えています。
だから「保護区」は「保護区外」をさらに強く支配し、さらに利益と権力を求めます。たとえば、「消費者の多様なニーズ」という詐欺的な言葉を使って、一見「選択の幅」が広がったように見せかけて、実際には「保護区」と「保護区外」とを、自由競争と自己責任の名において二極化し、格差を広げ、その結果、さらに「保護区(勝ち組)」は「保護区外(負け組)」への支配を強め、利益を吸い上げ、支配力を増し、税を搾り取り、労働を強化するようになっています。それは、「公務の民営化」の発想にもつながっています。また、9条改憲を言いながら「徴兵制」について言及しないのは、アメリカのように「保護区外」の不安定雇用を放置すれば、そこから兵力は供給されるからです。
小泉政権の発想の根拠は、この「保護区」の発想です。言い換えれば、競争のなかで、常に「勝ち組」であろうとする発想です。だから、世界の一方的な勝ち組のアメリカにぶら下がるのです。だから彼らは、国民に何も説明しないし、平気で「自衛隊がいる所が非戦闘地域だ」などと言うのです。
私たちは、それに対し、「それは間違っている」と主張しています。「保護区」の利益や権力は、もともと「保護区外」の人々の力に依るものです。だから、「保護区」のための「改憲」や「教基法改正」は、許せないのです。
教基法改悪法案の継続審議を決定
6月15日、教育基本法に関する特別委員会が開催され、政府提案・民主党提案の両案の継続について採決がありました。共産党・社民党が継続に反対、自民・公明・民主・国民新党の4党が賛成、賛成多数で継続が決定。
残念ながら廃案に至りませんでしたが,今国会での成立を断念させた最大の要因は,急速に広がった国民の世論と運動でしょう。大半のマスコミはあまり取り上げていませんでしたが,組織の枠を超えて,連日の国会周辺や全国各地での街頭運動や署名などが,「子どもたちと日本の未来にかかわる重要な問題」「拙速な審議に反対」との声となって,国民の中に大きく広がりました。
ここに来て,『書かない』マスコミでさえ,「愛国心」など徳目の押し付けを取り上げました。その結果,他にも教育行政の無制限の教育内容への介入など、重大な問題点が国民の中に明らかにされました。
一方,民主党案をてこに与党案を一層改悪修正する動きも目立ち始めています。今国会では,法案成立をさせませんでしたが,秋の国会の動向は予断を許しません。ここで廃案にするかどうかは,この夏の運動にかかっていると考えます。
現行法を変えさせないだけでなく,もっと現行法の精神を生かせば,多くの教育課題の解決への道筋になることを広く伝えていく必要があると考えます。 |
2006県高支部ニュースNo10より
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