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セクハラ加害教員を採用し、6年3ヶ月も「研修」を続けさせ9千万円を支払った兵庫県の責任を、引き続き追及しよう!(神戸県立支部)

2006年09月12日



『「セクハラ教員への給与等の違法支出」に対する住民訴訟の会』より神戸県立支部へ

セクハラ加害教員を採用し、6年3ヶ月も「研修」を続けさせ
9千万円を支払った兵庫県の責任を、引き続き追及しよう!

戸地裁「加害教員の採用は違法だが給与支払いは適法」という矛盾
大阪高裁での完全勝訴に向けて

1 「セクハラ」住民訴訟とは

 1996年12月、尼崎市立尼崎東高校で、その年に兵庫県から尼崎市に転勤してきたT元教諭が2人の女子生徒と女性教員に対して行った、悪質なわいせつ行為が発覚しました。翌年1月、尼崎市教委は彼を「口頭厳重注意処分」とし、同時に尼崎市の要請を受けた兵庫県は彼を引き取る形で再採用し、教育研修所で「男女共生、人権についての研修」を命じました。被害を受けた女性教員が訴えた民事訴訟では、T元教諭は公判の冒頭、請求通り慰謝料340万円を支払って「認諾」し、法廷で真相が暴かれるのを回避しました。
 以後6年以上にわたって、T元教諭は教育研修所で「研修」を続け、一度も教壇に復帰することなく退職
しました。しかもその「研修」とは男女共生、人権などに関する新聞記事の切り抜きに数行のコメントをつける程度のずさんなものでした。
私たちは兵庫県がセクハラ教員を採用し、事実を明らかにしないまま、県教委にかくまい、給料などとして9000万円もの公金を支出したのは許せないという思いから、2003年3月に給与等の返還を求めて「セクハラ教員への給与等の違法支出」に対する住民訴訟(「セクハラ」住民訴訟)を起こしました。

2 第一審の経過―神戸地裁において18回の公判

 証人として出廷したT元教諭は、自分がやったのは(同僚教員を)「床に正座させた程度」とか「肩やおしりをたたいた程度」で「わいせつ行為」はやっていないと驚くべき証言をしました。また当時の研修所の直属の上司である企画調査課長も指導らしい指導はせず、研修事務や研修処理システムの作製など、教員の研修のテーマとしてはあり得ないことを「研修」としてやらせていたことの問題点も浮き彫りになりました。
 さらに年度途中にもかかわらず、異例の再採用の理由を問いただされた当時の県教委、元教職員課長は「尼崎市から強い要請があった」「T元教諭は管理職試験に合格者なので優秀」と発言して傍聴者を驚かせました。研修期間は普通約1年とされているのに、なぜ「優秀な教員」を6年以上も研修をさせたのか、について「抗議行動によって現場が混乱することが予想される」と、追及をした方が悪いかのような責任転嫁を行いました。

3 神戸地裁判決 2006年3月9日
  「セクハラ教諭の再採用は違法」と判断!しかし給与の返還請求は却下

 判決はT元教諭が法廷で否定していたセクハラに関して「本件セクハラ行為は、本件女性職員の証言のみならず、中村校長作成の報告書やT自身の行動なども加味した上でその存在を優に是認できる。」と明快に事実認定しました。そして「人格的に無視できない問題点があり、教員としての適格性が疑われる」T元教諭のセクハラ行為について、事実確認のないまま行った選考、採用は違法であると断罪しました。そして採用が違法である以上、研修内容の違法性については論じるまでもない、と私たちの予想を超える明快な判決を下しました。
 しかし、給与等の返還請求については、賃金の支払い手続きにおいて違法性はなかったとして、原告の請求は退けられました。これは給与を支払う県知事は、再採用時点で、再採用が著しく合理性を欠くものであると判断するのは困難であり、財務会計行為についての指導監督の任にある教育長も、Tは勤務をしていたのであるから、財務会計行為については違法行為はないというものです。
 これは原因行為が違法であっても、著しく不当な財務行為があった場合以外は責任が問われないとする法律論に基づいた判決ですが、これではセクハラ教員を採用したという、重大な違法行為について、誰も責任を取らなくてよいことになり、全く納得できません。

4 闘いは高裁へ−被告側の驚くべき答弁書
「被害者は組合に利用されたものでセクハラの事実はない」

 一審判決から2週間後、224名の大原告団で控訴しました。鴇田弁護士を始め五人の弁護団は、65ページに及ぶ控訴理由書の中で、神戸地裁の判決について、「原判決はT元教諭の選考、採用が違法であったと正当に判断している」としながらも、「原判決は、採用の違法性の重大性、明白性に対する判断を誤った結果、給与等の支払いの違法性についての判断を誤っている」と明快に争点を書いておられます。闘いの舞台は高裁へと移りましたが、県側は7月に高裁に提出した答弁書の中で、「Tは女性教員の合意があったと信じていた」「Tが女性教員が組合に利用されて被害申告を出したと考えることは自体は不自然なことではない」として「尼崎市教委はかかる場合、セクハラ行為はないとの事実認定しか行い得ないものと言える」と結論づけています。
 一審でセクハラ行為が明確に事実認定されたことへの県側弁護団の焦りとも思われますが、荒唐無稽、しかも被害者を二重に侮辱する許せないものです。県側は、これまでの裁判の経過から見て、セクハラの事実を真正面から否定できなくなったのでしょう。「合意だからセクハラとは言えない。」「被害者は組合にそそのかされて訴えた。」などとして、被害者と組合に責任転嫁をするものであり、断じて許せません。

 さらに県側は女子生徒に対する行為についても、「激励の為に行ったとのTの証言が全く信じるに足りないということができない」「生徒の誤解があったことが確認できる」などと、加害者の弁解をそのまま弁護し続けています。この県側の主張はTの行為が単なる性的な嫌がらせではなく、胸やお尻や脚を執拗に触った悪質なワイセツ犯罪行為であり、しかも最も安全であるべき学校で、教師からワイセツ行為をされたことに照らし合わせると、悪質極まりないもので、許すことができません。県がこのようなセクハラ擁護の姿勢を持ち続けていることが、兵庫県下の学校でセクハラ事件が頻発する原因となっています。このような県の姿勢を正すためにもこの裁判の審理は重要です。

5 多くの方の署名をお願いします

 このような県の姿勢を正すためにも、この裁判で勝利することは重要です。7月5日の高裁第一回公判では、裁判長より、原因行為と財務会計行為との関係についての検討の必要性が示唆されていますが、次回公判(9月27日)を経て来年早々には判決が出る見通しです。ぜひ完全勝訴を勝ち取るため多くの署名を集めています。
 勝利を勝ち取るため、みなさまのご支援をお願い致します。

 ぜひ、次回公判の傍聴にお来し下さい!
  日時:9月27日(水)11時に開廷 
  場所:大阪高等裁判所 第81号法廷(地下鉄御堂筋線淀屋橋駅より徒歩7分

* 以上は,『「セクハラ教員への給与等の違法支出」に対する住民訴訟の会』(事務局 兵庫県高等学校教職員組合内)より寄稿された原稿です。この住民訴訟には,組合員以外にも,未組合員・地域住民の方々も参加され運営されています。会へのご意見、運営協力(カンパ等)、あるいは会への入会等は,高教組本部(341-6745、FAX 351-3185)か,職場の分会員までご相談下さい。


2006県高支部ニュースNo16より


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