今の国の現状を見た!!
-参議院教育基本法特別委員会を傍聴して-
日本という国の舵取りをする立法の府である国会の現実を目にして、悲しいかななんとも言葉にならない「こんなものだったのか」と予期はしていたもののやはり残念だった。
文部科学省からの「やらせタウンミーティング」の調査報告書では、文部科学省の誰が誰に指示したことも把握していることを認めた上で、「報告内容が各省庁でどこかが突出してはいけないので、明らかにしない。」会計報告書も、領収書がない、記憶がはっきりしないので経費も業者に確認しないと分からなかった、事後に請求書と領収書を同時に作っている等々。京都のタウンミーティングでは子供にまでやらせ発言をさせた可能性も出てきた。こういったことについて進んで向き合い事実を明らかにして責任を取ろうとせず、まるで他人事のように答弁する政府。安倍総理は「三ヶ月の減給でけじめをつけた」と言うばかり。そして「国民の声を聞いた」という教育基本法の改正の前提が根底から崩れているにもかかわらず、「国民が選んだ議員で長時間話し合って決めるのだから問題はない」とも。(世論調査では多数が性急に決めるべきではない、慎重審議あるいは廃案と言っているし、公聴会では改正への支持はほとんどなく、反対、疑問の意見が続出し異例の声明まで出されたのに、当の政府は「自分たちの意見を聞こうとしていない、公聴会の意見が反映されていない」との声が出ている。テレビでも中継されたが、強行採決では通常の法案審議として会議が行われていたのに、採決を行うかどうかを相談することもなく(普通は事前に行う)突然議長が「改正案に賛同する者は起立を。多数と認めます。よって可決されました」と通告した。
公聴会では「なぜ改正するのか」「教育基本法のどこが問題なのか教えてほしい」という声の中で、文部科学省はそれらには全く答えることなく「理由がなくても改正してもいいでしょう」とまで発言したという。特別委員会の質疑の中で、ある母親から届いたファクスが紹介された。「子供たちはズルすることを嫌います。こんな形で法案が通れば子供たちはズルはしてもいいんだと思ってしまう」と。本当にそうだと思った。大人が、しかも「国を愛すること」「美しい日本」などと美辞麗句を並べ立てながら、やっていることは、野次が飛んでいたが「総理のやっていることは全然美しくない!!」ということだ。国民主権の国で国民の信託を受け、選んでもらった国民に背を向け(財界等には別だが)国会という象牙の塔に立てこもり(しかし世論の改正反対の高まりが政府へのかなりの圧力となっていることは感じられた)「多数だから」「選挙で選ばれたのだから」と自らを正当化して、だから何をやってもいいんだと言わんばかりに振舞っている。学校現場を思い浮かべながら「俺たちのことが、生徒たちのことがこんな風に決められてるんだ」と少しはあった期待感は消え、一人一人が国の政治をきちんと見張り、しっかりと政府と政治をコントロールするのだという自覚を持つしかないのだなと感じた。
「教育基本法は現場には関係ない」と言った教師がいた。「教員採用試験にもでないし、、、覚えても意味がない」。しかし本当にそうなのだろうか。必要のないものならなぜ政府は政府の報告書にいう「世論誘導」のやらせタウンミーティングまで行い強行してまで改正しようとしたのだろう。教育の憲法とまで言われる教育基本法をなぜ県教育委員会は教員採用試験に出題しないのだろう、官製研修で話題にされたことも聞いたことがない。改正教育基本法では時の政府が国会にも諮らず勝手に教育内容を決め、教員は「国民全体に対して責任を持つ」のではなく法律にもとづいて教育を行うことになり、教育行政については「教育条件の整備」がなくなっている。この教育基本法の改正が目指しているものが見えてこないだろうか。意識しなくても実は教育基本法は空気のように私たちを守ってくれていたのではないだろうか。
強行採決がなされたとき、暗闇の中で冷たい雨が降り出していた。国会周辺にはすごい数の教育基本法強行反対の人々が全国から集まっていた。その降りしきる冷たい雨の中で、国民の声を無視した強行採決を絶対に許さない大きな怒りのシュプレヒコールが何度も何度も響き渡っていた。
この改正教育基本法は憲法と矛盾する可能性が指摘されている。次は憲法改正への一里塚だとも言われる。私たち主権者の一人一人が先人の思いを受け取り、これからの世代のためにも、「国民の不断の努力」によって、このような国民を愚弄するような蛮行を再び政府に許してはいけない。これからが私たち国民一人一人の真価が問われるのだと思う。
教育基本法と憲法改悪に反対する草の根運動
周知のことですが,「教育基本法」は改悪されてしまいました。
しかしながら,このまま何もしなければ,政府与党は「『やらせ』もして一時期困ったけど,でも黙っていれば国民は納得したんだ」となって「(改悪)教育基本法」をもとに様々な統制を加えてくると思います。いまここで,何もしないのではなく,断固抗議を続けていきましょう。
また,マスコミもよくあることですが,決まってから「良識ある声」をあげて,いかにも「第4の権力」のように振る舞っていますが,ここにも,まだまだ,この法律は問題であるということを伝えていきましょう。そのために,高教組HPをご活用下さい。
2006県高支部ニュースNo30より
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