遺伝子組み換え食品(GM)を
巡って
2005年10月、遺伝子組み換え大豆(Mon40-3-2)を飼料としたラットから生まれた新生ラットの約56%が3週間以内に死亡し、生き残ったラットも病弱で成長も遅れた、という実験結果が発表された。それに対し、英国のACNFPという推進派の諮問委員会が反論をし、日本政府もその反論を引用して「安全性に問題はない」と結論付けている。
調べてみると、その背景には「儲けのためには何でもあり」というグローバル社会の裏面が垣間見えている。以下、いくつかの問題を挙げてみる。)
(1)遺伝子組み換え食品には、動物実験が義務付けられていない。
この実験は、導入されて十年もたつGM大豆に関して、初めて公表された実験となった。遺伝子組み換え食品は、「見た目が変わらない」ことをほとんど唯一の安全基準としているため、牛や豚、そして人間が、直接の実験台になっている。日本では「使用していません」という表示があるから大丈夫、と思っている人が多いが、実は、5%以下ならこの表示ができることになっている。表示しなくてもよい品目も多い(液体、粉末等)。
(2)組み込まれることによる影響は、わかっていない。
遺伝子をゲノムのどこに組み込めばどうなるか、という正確な知識・技術はまだ確立していない。その遺伝子が、他の部分と呼応して、期待した性質以外に、どのような未知の効果(新規の毒性等)が現れてくるか予測できないにもかかわらず、慢性毒性検査を経ないで、いきなり人体実験になっている。
(3)種企業が、巨大企業(殺虫剤等の化学工業)によって買い占められた。
今回の実験で使われたモンサント社(米)のGM大豆の種は、ラウンドアップ(包囲殲滅!!)という自社製殺虫剤への耐性をもっていて、殺虫剤とのセットで売られている。そして、この種は、特許の対象となっていて、例えば農家が収穫の中から次回のための種を採っておくような行為に対して、モンサント社は何度も裁判を起こし、恫喝してきた。農家は、次回も高価な種を買わなければならず、インドの農民には自殺者が相次いだ。
アルゼンチンの農家は、自分たちが食べる食糧生産農地を奪われ、輸出向け(ヨーロッパの家畜飼料向け)のGM大豆を作らされている。この10年で、既に45万人が餓死した、と言われている。
(4)GM作物が、他の作物を汚染し始めている。
カナダでは、純正種を育てている農家にGM作物が混入し、それでモンサント社が賠償金を払え、と言ってきた。裁判を受けて立った農家は、敗訴した。「その土地に、モンサント社の特許である作物が生えていることが、犯罪(特許侵害)」というとんでもない理由だ。日本でも、GMナタネの自生が確認されている。汚染を恐れて調査を始めた研究者たちに対して、モンサント社は「特許権の侵害だ」と言ってきた。
一方、ターミネーター(終結=自殺)遺伝子(採れた種を撒いても、成長せずに枯れる)の開発が為された。猛烈な反対に逢って一度は凍結していたが、「GM作物の拡大(汚染)を食い止める効果がある」と言い始めている。
2006県高支部ニュースNo37より
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