経済的理由による高校生活への影響について
−日高教「高校生の修学保障に関するアンケート調査」の結果から−
日高教(日本高等学校教職員組合、兵庫県の高教組も加盟)では,2000年以来,副題の調査を続けてきました。その結果,保護者の家計に対する教育費負担はいっそう重くなっていることが明らかになりました。保護者のリストラ、失業、倒産などの生活状況は厳しく,授業料滞納者数・減免者数の状況に好転の兆しはありません。 *以下,文中の%はすべて回答があった学校のうちのものです。
年額11万円を超える授業料+初年度納付金・制服代等31万円(男子の全国平均)
総務省は,来年度の公立学校の授業料基準額を,全日制118,800円(+3,500円)、定時制31,200円(+1,200円)、通信制6,200円(+200円)と,経済格差が広がるなかで「改定」しました。これは国連人権規約(A規約第13条2項(b)および(c))のなかで,高等教育までの無償化が義務づけられている流れにも逆行しています。その他にも,PTA会費・生徒会費・修学旅行積立・教科書代の他,1年生は制服代等も加算され,313,814円(男子の全国平均、女子は若干高額に)を負担しています。
さらには通学費はこれとは別に負担となります。通学費の最高金額は,年額394,560円で授業料の3倍以上になっています。回答のあった学校からは,「もともと交通費が高額」であることをあげていますが,遠距離通学がその要因であり,背景には高校の統廃合や学区拡大の影響が考えられます。「学期定期」があるところでは,長期休業中に部活動に参加できないという別の問題も生んでいます。
深刻な授業料滞納状況
04年9月期の滞納状況は全日制の場合,全国4.85%(兵庫7.81%)が06年9月期では5.67%(13.91%)とともに増加しています。特に長期滞納者の滞納理由のうち上位のものは「リストラ・失業・倒産」(49.3%)「もともと減免対象基準すれすれ」(49.3%)「離婚」(38.0%)(回答は3つ以内)となり,保護者の経済状況がそのまま反映されています。
経済的理由による高校生活への影響
もっとも重大なのは,中途退学に追い込まれる生徒がいることです。経済的な理由での中途退学を理由とした学校は全国で26.0%となっており見逃せません。さらに経済的な理由であっても退学理由に「進路変更」「一身上の都合」とする場合もあり,実態は調査に現れた以上に深刻です。多くの高校生は家計の一部や納入金の支払いのためにアルバイトをし,その疲れから学業がおろそかになったり,欠席しがちとなり,退学するケースもあります。また,経済的理由で修学旅行への不参加者がいる学校は,6割に及びました。
私たちの5つの提言
教育費の保護者負担は家計に重くのしかかり,学校現場からは,貧困と格差が高校生の修学権を脅かしている実態が告発されています。憲法26条には「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、等しく教育を受ける権利を有する」とあります。 私たち(日高教)はお金の心配が無く教育が受けられるよう次の5つを提案しています。
@教育予算を増やし,授業料を引き下げる。
A授業料の減免制度と修学援助を拡充する。
B奨学金制度を拡充する。
C公費で負担すべき教育費の保護者負担を解消する。
D将来に向けて教育費の無償化計画を立てる。
*『2006年度高校生の修学保障に関するアンケート調査のまとめ』(日高教)(PDF)を抜粋・加筆しました。
2006県高支部ニュースNo40より
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