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「複数志願制」は「複雑志願制」(県高支部)

県高支部   2002年04月26日


「複数志願制」は「複雑志願制」

疑問いっぱい不安いっぱいはそのまま、
教育委員会は担当者でも説明に行き詰まるほど複雑・難解
これから来年度にかけてますます膨らむ複数志願制に対する疑問と不安

 県教育委員会は、2月15日の教育委員会にドタバタと複数志願制を提案しましたが、この提案でこれまでに出さてきた実に多くの疑問や不安にこたえrたかというと、全くそうではありません。「加算点は50点」「志願変更は一部認める」などがハッキリしただけで、昨年7月に中学校に対しておこなった説明と基本的には何ら変わっていない。このことき中学校に配布されたリーフレットと今回4月につくられたリーフレット(やがて中学校に配布される)の中身はほとんど変わらない。昨年のリーフレットは読んでもよくわからないし(実際に読んで理解できる人がどのくらいいるだろう)、今度のリーフレットも中学校の先生にとって「このリーフレットで保護者や生徒に説明してください」と言われても大変困難だと思われる。
 ある中学校で3学期に校長自ら2年生の保護者に対して複数志願制についての丁寧な説明をおこなったそうです。その後司会の先生が、今の説明で複数志願制のことがわかったかどうか尋ねてみたら、よく理解できたはゼロ、少し理解できたは2〜3名、ほとんどわからないあるいは全く理解できないがほとんど(全体で7〜80名の出席)だったそうです。また、校長さんの話のあとにマイクをもったある先生はこういったそうです。「この入試は、1日に3回泣く子が出てくる入試ですね」。「1回の入試で2校の高校にチャレンジできる」ことが、何か途方もなく有利なことのように思うのは間違いです。むしろこの先生が言うように心配になることが実にいろいろあります。
 教育委員会は、リーフレットで「受験競争の緩和」を複数志願制導入の理由としています。しかし、複数志願制によって、受験競争が緩和されるとは到底思えません。少しでも単独選抜制のことを知っている人であれば、その多くが受験競争は激化すると思うでしょう。受験難易度でトップの高校が、この複数志願制でより競争が激しくなるのは目に見えています。現状でこそ、定員オーバーの受験者は数十人にとどまっていますが、複数志願制になると、その高校での定員オーバーは3桁を越える可能性があると、中学校では予測しています。このトップ校を第1志望にする生徒が、第2志望に選ぶ高校がある高校に集中すれば、その高校では第1志望の希望の生徒も多いはずだから、その高校も大変な定員オーバーになります。また、受験難易度の下の方では、50点の加算点の幅の中に3校以上が重なり合うことや、50点の幅に千人以上の受験生がひしめくことも予測されています。いままで受験しなかった層が、加算点50点があるために受験することになりますが、この層も極めて多数になる可能性があります。「受験競争の緩和」どころかとんでもない競争の激化が起こる可能性があるのです。さらに問題は、競争が激しくなるだけでなく、受験に関する変動が大きくなり、中学校の進路指導も困難になり(事実上不可能)、生徒本人も合格できる目安がわからなくなります。
 このような危惧は、1997年からかなり単純な複数志願制を導入した神奈川県では現実のものとなっています。そのため、神奈川県教育委員会が設定する協議会が出した報告書には、複数志願制を見直す、発展的に解消するという方針が出されました。


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