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シリーズ 有事法制を斬る(その4)有事法制はどんな日本を展望するのか(東播支部)

東播支部   2002年04月30日


シリーズ 有事法制を斬る(その4)

有事法制はどんな日本を展望するのか

有事3法案は、26日審議入りしました。国会の審議で、政府は、米軍支援のためインド洋に展開中の海上自衛隊艦船に対する攻撃も、「戦争国家法案」(有事三法案)の発動対象である「武力攻撃事態」になりうるとの考えを示しました。有事法制が、日本を外国の侵略から守るための法律ではなく、アメリカの戦争に日本国民を強制的に動員するための法律であることが国会の論戦で明確になりつつあります。シリーズ最終回の今回は、有事法制がどんな日本の将来像を展望しているのかを検討し、有事法制の本質をさらに掘り下げます。

有事法制制定の次は? - 改憲を明確な目標に!

本シリーズ第1回で述べたとおり、有事法制が急浮上した背景には、アーミテージ報告などのアメリカ側の要求にあります。こうした要求を受ける形で、01年5月、防衛庁とつながりのある「防衛戦略研究会議」が報告書を公表しました。中谷防衛庁長官が「我々も防衛政策立案に当たり報告書を大いに参考にしたい」と述べるなど、彼らの戦略を描いた重要文書です。

この報告書は「予想される政治的困難が少ない順に述べれば」として次の6つの課題を提言しました。(1)PKF参加凍結解除 (2)多国籍軍後方支援法の制定 (3)有事法制の制定 (4)RMA推進の体制整備 (5)集団的自衛権をめぐる憲法解釈の緩和 (6)憲法第9条第2項の緩和。

こうした方向に向けての事態の進行が「9.11」を利用して一気にすすめられました。「PKO等協力法」が「改正」され、(1)のPKFの凍結解除がなされ、武器使用要件の緩和も行われました。同時に制定された「テロ対策特別措置法」では、「周辺事態措置法」の「日本の平和と安全」のためという発動用件は取り払われ、「テロ対策」であれば、世界中のいかなる地域でも軍事行動を可能にしたものでした。また、日米安保の枠も取り払われ、事実上報告書(2)の「多国籍軍後方支援法」の質を持つものです。つまり、報告書の(1)と(2)はすでにこの半年ほどのドタバタの中でクリアーされてしまったのです。そして今、(3)の「有事法制の制定」の段階にあります。その先にあるのは……。最終目標が(6)の改憲であることをしっかりと見据えておく必要があります。

日米の全面的な共同軍事行動を可能にする体制作り - 「日本防衛」は方便

報告書(4)のRMAとはアメリカが推し進めている最先端軍事技術導入による「軍事革命」のことです。報告書は、日米の相互運用性の強化、自衛隊の統合性の強化、情報保護法制の検討、兵器体系・兵力構成の再編検討などをあげています。また、05年に「防衛計画の大綱」を再改訂するために、防衛庁は昨年夏から「防衛力のあり方」の抜本的な検討作業に着手していますが、「大綱」に、テロ封じを目的とした「平和維持のための国際協調」を盛り込むことや、PKO業務を自衛隊の本来任務に格上げすることを検討しています。

これらが目指す方向は明確です。それは、「日本防衛」のためというこれまでの「建前」をかなぐり捨てて、公然と、アジア・太平洋地域でアメリカ中心の「秩序維持」のために日米が全面的な共同軍事行動を可能にする体制をつくろうとしているのです。「備えあれば憂いなし」とは真っ赤な嘘。有事法制は、アメリカと共に堂々と戦争ができる国を展望しているのです。

憲法9条こそ平和の備え – 今、重大な岐路に

私たちには、世界に誇るべき先駆的な憲法9条を持っています。日本が平和憲法をきちんと守っていく姿勢をしめすことこそ日本の安全と平和を保障するものでり、その崇高な精神を世界に広げることが、世界の平和への最大の貢献ではないでしょうか。今、日本は重大な岐路にあります。

東播支部ニュースNo.5 2002年4月30日付より


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