みなさん、こんにちは。お、さすが小学生は元気がいいね。今日はこのタウンミーティングに小学生のみなさんを招待しました。初めての試みで、ぼくも大変楽しみにしています。何といっても、日本の未来を担うのは君たちなんだからね。
さて、ぼくが日本国の首相・大泉純一でーす。今日はぼくのことを純ちゃんって呼んで下さい。いいですかー。あれ、何の反応もない、変だな。去年の今頃はどこへ行っても純ちやん、純ちやんの大合唱だったのに。
え、さっそく質問があるのかい。仲良しのカトウさんはどうして国会議員を辞めたのですか?いきなり嫌なことを聞くね。カトウさんのことは君たちとは関係ありません、今日はもっと大切な有事の話をします。ユウジ君ってムネオ君のお友達ですか?どうしていやな名前ばかり持ち出すの。違います。そんなバカなことをいっているから、最近の子供は学力が低下したといわれるんだよ。ユウジ君じやなくて有事法制の話です。違う、ホウセイ大学に行っているユウジ君なんかじゃない!
1.有事とは何か
有事とは、わかりやすくいえば、非常事態ということだね。今の日本は平和で、豊かな暮らしを楽しんでいます。日本がこの五十年間、平和な生活を守ってこれたのはなぜだと思いますか。平和憲法があるからでーす。そんなところで大合唱はいらないの。そこがちょっと違うんだな。憲法なんて、ただの紙切れに書いてある言葉です。言葉で国は守れません。日本の国を守ってきたのはアメリカ軍と自衛隊です。このことをもっと知ってもらいたいな。
たしかに今は平和です。でもそんな日本の国をねらって、よその国が攻め込んでくるかも知れません。それに去年アメリカで起きた同時多発テロのことは知ってるよね。あんな事件が日本で起きたら大変です。だから、そんな万一の場合に備え、きちんと法律を作って準備しておきましょうというのが有事法制なんだよ。
え、どこの国が攻めてくるのかって?去年東シナ海であった不審船騒ぎを思い出して下さい。沈んだ船を引き上げて調査すればははっきりすると思うけど、あの船は北朝鮮のものだとぼくはにらんでいます。アメリカのブッシュ大統領だって、北朝鮮・イラン・イラクはテロを応援する悪の枢軸だと、おっと、この言葉はちょつと難しいな。ま、世界で飛びきりの悪い国、つまりまじめな子供をいじめる番長三人組だといっているんだよ。この北朝鮮あたりが日本をねらつているかも知れません。
本当に攻めてくるんですか?それはわかりません。ないかも知れないし、あるかも知れない。でも万が一にもあっては困るから、日頃から用意をしておくんです。君たちだってテストの前にはがんばって勉強するし、お父さん・お母さんのボーナス日が近づいたら、急に家のお手伝いを始めたりするでしょう。それと同じです。これを「備えあれば憂いなし」っていうんだよ。
非常事態の中には自然災害も含まれるんですか?含まれません。日本が直接攻撃されるか、日本の周辺で戦争が起こった、あるいは起こりそうな場合が有事、つまり非常事態です。台風も地震も火山の噴火も関係ありません。
起こりそうな場合も含まれるんですか?そうだよ。相手が攻撃を準備している場合、準備はしていないけど攻撃してくるんじやないかと予測される場合も含まれます。戦争が起こってからでは間に合いません。君たちのお家に泥棒が入ってからでは遅いでしょ。そうならないように戸締まりを厳重にしたり、セコムに頼んだりします。だから少しでも戦争になりそうなおそれがあれば、すべて有事、つまり非常事態として対処するんだよ。
2.有事法制の内容
(1)地方自治体の協力
非常事態になった場合、国だけでは解決できません。だから地方自治体、つまり都道府県や市町村に協力を指示します。違うよ、これはお願いではありません、指示、つまり命令です。
国が自治体に命令できるんですか?野党の質問みたいなことをいうね。本来はできません。しかしこれは非常事態の話です。そんな時、国がやることに自治体が反対するようでは、それこそ大変です。だから特例として命令できるようにするんです。
(2)企業・公共機関の協力
それにいろんな公共機関や会社もに協力してもらいます。たとえば日本銀行、非常事態になるとたくさんのお金がいるからね。次に道路公団やJR各社、これは自衛隊がすばやく移動できるようにするためです。また必要な物資の輸送を優先します。成田空港、関西空港では、自衛隊の飛行機の発着が優先されます。それじゃ旅行ができない?何いってるの、非常事態に旅行もヘチマもありません。もし修学旅行と重なったら?運が悪かったとあきらめてください。えーって、悲鳴をあげるほどのことじやないでしょ。パレスチナでは君たちと同じ年頃の子供がたくさん殺されています。そういうことから君たちを守るためにやっているんじやないか。もっと感謝してほしいものだねえ。
電話会社にも協力してもらいます。自衛隊の通信が優先され、どうでもいいおしゃべりの電話は制限されます。携帯電話もすべてそうです。それじゃメールもだめ?当たり前だろ、そんなこと。電気・ガスの会社にも協力してもらいます。燃料・エネルギー、すべて自衛隊優先です。
マスコミの協力も必要です。まずNHKは国営放送なんだから、全面的に協力してもらいます。普通の番組はすべて取りやめ、24時間臨時ニュースを流し続けてもらいます。それもすべて政府が発表した内容に限られます。政府のやることに反対だなんて、そんな報道は絶対に許しません。それじゃ民放を見よう?民放に協力して
もらうことも現在検討中です。第一、非常事態にアニメや歌番組を見ようなんて考え方がそもそも間違っている。昭和天皇が亡くなった時の新聞エアレビを思い出しなさい。あ、そうか、君たちはまだ生まれていなかったのか。
非常事態に協力することは、公共機関などで働く人たちの責務です。つまり、いやとはいえない、絶対やらなければいけない仕事なのです。ここのところをよく覚えておいてほしいな。
え?うちのお父さんは宅配便の運転手、お母さんは看護婦だから関係ないですね?ところが大ありなんだな、これが。運送会社には物資輸送の大切な仕事をしてもらいます。医者と看護婦も動員されます。あのね、非常事態ということは戦争なの、戦争になればケガ人がたくさんでます。だから野戦病院というのを作るんだよ。そこに医者と看護婦が必要になるのは常識じゃないか。
それじゃ、今いった人たちは戦争に協力するんですか?ただの戦争じゃありません、国を守るためのやむを得ない戦いに協力するんです。もしいやだといったら逮捕されるんですか?ほんとはそうしたい、おっと違った、逮掃などということはありません。でもね、この場合はそれぞれの会社などから業務命令というものが出されることになるでしょう。それをことわったら?間違いなく解雇、つまりクビだね。おや、急に静かになったな。明日から給料が入ってこない生活なんて、想像できますか。夏休みのUSJもクリスマスプレゼントのテレビゲームも、全部消えてしまいます。そもそも毎月のお小遣いがゼロになります。そんな生活、がまんできないでしょう。だから、もし君たちのお父さん・お母さんに業務命令がでたら、お国のためにがんばってきてね、といって笑顔で送り出して下さい。わかりましたか。
次号に続く
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