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シリーズ:有事法制はいま(4)/米軍支援法制/「活動の自由」保障のため

2002年10月09日


有事法案では、国、地方公共団体、民間企業などが、「武力攻撃事態」に際して軍事活動をおこなっている米軍に対して「物品、施設又は役務の提供その他の措置」を取ることになっています。しかし、具体的内容は、二年以内に制定するとされている「米軍支援法制」に委ねられており、明らかにされていません。

自治体側の再三の情報提供要請に対して政府は、「米軍支援のあり方については、今後、米側のニーズも踏まえて検討する」(東京都国立市長の公開質問状への内閣官房・防衛庁の回答)などとのべるにとどまっています。法案作成を中心的に進めている内閣官房関係者は、米軍支援法制について「法制作業というよりも、現行法とのからみでの検討段階」とのべています。

米国側にも逐一報告

「米国のニーズ」の窓口である外務省北米局関係者は、「具体的な検討は(有事)法案が可決・成立してから」と、慎重姿勢を強調しつつ、米軍支援法制の整備作業は「外務省全体でも重要な位置付けを占めており、少なくとも北米局では核となる業務だ」とのべました。米国側に対しても、国務省・国防総省それぞれの対日部門に、国会審議や世論動向を逐一報告しているといいます。

米国が日本を「米国有事」に全面的に組みこむ動きは、一九九四年の朝鮮半島危機を契機に加速しました。九六年には、米国と防衛庁との協議で、千五十九項目におよぶ支援要求が出されていたことが、日本共産党の志位和夫書記局長(当時)の質問で明らかにされました。

九九年には、日米新ガイドライン(軍事協力の指針)にもとづいて周辺事態法が策定され、自治体や民間業者が米軍に協力することが規定されました。しかし、拒否した場合の罰則規定は設けられておらず、米側からは「協力に消極的な民間機関や地方公共団体に対し、必要な協力を行うよう強制できる権限を総理大臣に与えるよう、さらに立法措置が必要である」 (マイケル・グリーン米国安保会議日本・韓国部長、二〇〇一年四月、共同論文「冷戦後の日米同盟」)との要求が出ていました。

ガイドライン上の要請

今回の米軍支援法制についても、外務省0Bの森本敏・拓殖大教授は「有事法制が日米防衛協力ガイドライン上の要請から導き出されるという要因をもっている」(『正論』十月号)と指摘しています。そして「今後、整備される法制のなかで最も注意をして進めるべきは米軍との関係である」として、米軍の「活動の自由」を保障するため、@有事の軍事協力の取り決めA有事ACSA(物品・役務協定)の締結B有事の日米地位協定の運用とりきめが必要としています。

つまり、米国側は自治体・民間への協力を強制するが、みずからは日本の法律などおかまいなしの、自由な活動を求めているのです。四月末に来日したマイヤーズ米統合参謀本部議長は有事法案について、「米軍の行動に支障がないよう、日米間で協議を進めてほしい」と要請しました。    (つづく)


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