カーター元米大統領は一月三十一日、「戦争の代案」と題する、米国の対イラク先制攻撃に反対する声明を発表し、ブッシュ政権は「先制軍事攻撃の説得力ある論拠を示していない」と批判。イラク問題の解決のために査察を永続的に継続する体制をつくるよう提案しています。
カーター氏は、ブッシュ大統領の一般教書演説を念頭に置きながら、「わが政府は、国内でも欧州でも、イラクにたいする先制軍事攻撃の説得力ある論拠を示していない」と指摘。パウエル国務長官が五日にイラクの大量破壊兵器保有にかんする具体的な証拠を示し、「彼の努力が成功し、サダム・フセイン(イラク大統領)のうそと欺まんが暴かれたとしても、それは米国とその同盟国にたいするイラクの現実のあるいは直接の脅威を示唆するものではないだろう」と指摘しています。
そして、ブッシュ政権がイラク攻撃の正当化に外交努力を集中するあまり、国際テロとのたたかい、イスラエル・パレスチナ紛争、北朝鮮の核問題など、重要な国際課題への積極的外交をおろそかにしていると批判しました。
とりわけ、イスラエル・パレスチナ紛争は「うずきつつあるがんであり、世界で膨らんできた反米感情の根本原因」であると指摘、北朝鮮の核問題も「積極的な外交で対処すべき」問題だと強調しています。
その上で同氏は、イラク問題の解決を戦争ではなく査察の強化によって解決すべきだとし、査察チームを「永続的機構として配置すること」を提案。イラクでの一九九一年から九八年までの査察によって九百発以上のミサイルや生物・化学兵器を廃棄した国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の実績からみても、査察の継続で得られる結果は「確かなものであり、軍および民間人の犠牲も避けられ、ほぼ全世界の支持を得られるだろう」と強調しています。
しんぶん赤旗2003年2月3日付けより
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